iPhoneが「子ども用スマホ」として最強なワケ アップルは「中毒問題」を真剣に考えている

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ダウンタイム機能を紹介するアップルのシニアバイスプレジデント、クレイグ・フェデリギ氏(筆者撮影)

ダウンタイムはたとえば就寝時間と起床時間を設定すると、その間は許可されたアプリや連絡以外はiPhoneやiPadを利用できなくなる。そのため、夜通しSNSやビデオ視聴をして寝られなくなる、といったことを防ぐことができる。

アップルは、ただ子どもに制限をかければいいわけではないという。制限機能を設定しながら、なぜiPhoneの使いすぎがよくないのか、どういうルールにして守っていくのかを話し合ってほしい、と語る。

子どものiPhoneやiPad利用で長時間費やすアプリは、MinecraftやInstagram、YouTubeが代表的だ。この中で子どもの利用時間について制限をかけられるのは、YouTubeが用意する子ども向けアプリ「YouTube Kids」。日本語版では毎回変わる漢数字のパスコードを親が入力し、連続視聴時間をセットできる。しかしInstagramに使いすぎを制限する機能はない。

アップルは確かにiPhoneやiPadを販売しているが、使いすぎを誘発しているアプリを開発しているわけではない。しかし株主や親からの提案を受けて、こうした機能を用意するに至った経緯があった。

シリコンバレーの「雰囲気」

シリコンバレーは、住宅コストとともに教育コストも非常に高い。朝から夕方まで預けられる保育園を探す際、毎月20万円の学費なら、「よくそんな安いところ見つけたね」と褒められるほどだ。しかし多くの人にとって許容範囲を超えつつあり、シリコンバレーを離れる家族が出てくる理由の1つとなっている。

そんなシリコンバレーで人気を増してきたのが、デジタルに触れない教育だ。モンテッソーリやシュタイナーなど、アートや料理、土や植物などとの触れ合いをカリキュラムに取り入れた保育園に入れ、親自身のライフスタイルもそうしたものに変化させていく。

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