休日に動かない人ほど疲れが取れないワケ 逆に体を動かしたほうが回復を図れる

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これは、日中じっとしていると、交感神経と副交感神経の交替がうまく行われず、結果自律神経が乱れて、夜にしっかり休めないため。そして夜に深い睡眠が取れなければ、体内の修復作業も妨げられることに。

「疲れないためにじっとしている」という作戦をとっていると、夜間に回復が捗らない分、反対に疲れやすくなるのです。

「動いていないから疲れておらず、眠らなくてもいい」わけでは決してありません。

日中の身体活動量が、グッスリ眠れるか否かも左右している、ということです。

人体はそもそも「疲れやすい」仕様になっている

加えて、体が完全に左右対称でないことも、人間という生物がそもそも何もしなくても疲れやすい特徴を備えている大きな要因になります。

たとえば、前回の記事「疲れやすい人は『呼吸』の重みをわかってない」で「疲れない体作り」に重要だと書いた「横隔膜」。よく見ると、右側のほうが厚く、大きなドーム型をしています。これは、横隔膜の右側下に、大きな肝臓が付着しているためです。

体全体で見ても、拳大の心臓やそれよりも小さい脾臓は体の左側にあって、臓器としてとても大きな肝臓は体の右側に配置されています。

このように内臓の配置が左右で違っているため、横隔膜以外の筋肉も影響を受けていることが考えられます。長年放っておけば、この「体内の左右差」によって体のバランスは崩れ、中枢神経と体の各部の連携が乱れ、少しの動作をするだけでも余計な負荷がかかってしまう「疲れやすい体」になってしまうというわけです。

何もしなくても疲れはたまるのですから、「抜こう」としないかぎり決して疲れは抜けてくれません。

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