休日に動かない人ほど疲れが取れないワケ 逆に体を動かしたほうが回復を図れる
人間の体が「じっとしている」のに適さないことは、さまざまな調査によって判明しています。たとえば「立っている」より「座っている」ほうが、体に負担が少ない気もしますが、内実は大きく異なります。
「座位行動研究の第一人者」といわれるオーストラリアのネヴィル・オーウェン博士によると、日本の成人は平均して1日に約7時間座っており、これは世界一の長さ。世界の平均は約5時間で、働きづめで席から離れられない“日本のオフィス”を象徴するかのようなデータです。
オーウェン博士によると、座ってばかりいると血流ばかりか代謝も悪くなり、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病のリスクも高まるとのこと。アメリカでは「Sitting Kills You」という記事も報道され、スタンフォードの医学部も「座りっぱなしの勤務態勢の見直し」を唱えています。
「じっとしている」と脳が疲れを呼び込む
ノーベル生理学・医学賞の選考委員会があるスウェーデンのカロリンスカ研究所でリサーチャーとして活躍したアンダース・ハンセン氏によると、脳をはじめとする中枢神経はそもそも「体を移動させる」ためにできていて、原始時代からその構造はあまり変わっていないそうです。
しかし、コンピュータが仕事の大部分を担うようになった今、ビジネスパーソンは忙しければ忙しいほど、動かなくなっているのではないでしょうか?
本来、体を動かすようにできている脳を有する人間が3時間以上座っていると、記憶力低下や注意散漫といった弊害が発生しはじめるといいます。これでは、生産性は上がるべくもありません。
「働きすぎて疲れた日」ほど、「体を動かせていない日」であることも多いのではないでしょうか。
また、日中に体をある程度動かさないと、睡眠に影響が出て、夜間のリカバリーもうまくいかないことが判明しています。
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