体制を保証?トランプの「譲歩」はヤバすぎる

「個人崇拝のカルト国家」の存続を許すのか

6月1日、ホワイトハウスでの会談を終えた北朝鮮の金英哲(キム・ヨンチョル)朝鮮労働党副委員長(左端)とドナルド・トランプ大統領(写真;REUTERS / Leah Millis)

「全て金正恩将軍様のお力添えです」「敬愛する金正恩同志元帥様の真の子供になろう」――。

6月下旬より劇場公開されるドキュメンタリー映画『ワンダーランド北朝鮮』では、こうした金正恩朝鮮労働党委員長を礼讃する言葉や標語、さらには歌がこれでもかこれでもかと嫌になるほど登場する。映画は、異様なまでの個人崇拝の国家体制の実態を映し出す。

地方の保育園では、まだしっかりと立つこともおぼつかない幼児たちに「金日成大元帥様に朝の挨拶を致します」と歌うお遊戯までも教え込むシーンがある。いたたまれない思いになる。

映画の冒頭、チョ・ソンヒョン監督は「私は行く先も撮る人物も決められません。地元の協力者に従うだけです」と率直に明かした。もちろんカメラの前に登場し、指導者礼讃を繰り返す人々には、言論の自由など与えられていない。

非核化の見返りとして北の「体制保証」を明言

金日成国家主席の時代から3世代にわたる独裁国家の北朝鮮。この全体主義国家に対し、アメリカのドナルド・トランプ政権は6月12日に予定される米朝首脳会談に向け、5月17日、非核化の見返りとして北の「体制保証」を明言した。このため、米朝首脳会談ではアメリカが求めている非核化と、北朝鮮が求めている体制保証について、実際にどのような合意があるかどうかに注目が集まる。

ただ、もともと「自由の国」アメリカがこのような個人崇拝のカルト国家の体制を保証していいものなのか。北の体制を保証することで、逆に人権弾圧や自由なき社会で抑圧されている北朝鮮の庶民を虐げることにならないのか。

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