会談中止で米朝関係はどこまで「悪化」するか 将来的な交渉の可能性も示唆しているが・・・
ドナルド・トランプ米大統領は5月25日、北朝鮮による「すさまじい怒りとあからさまな敵意」を理由に北朝鮮の金正恩労働党委員長との米朝首脳会談を中止した。
来月12日にシンガポールで開催される予定だった首脳会談は、米国の大統領が歴史上始めて北朝鮮の首脳と交渉を行うという歴史的イベントとして注目されていた。
再び北朝鮮に対して厳しい姿勢に
トランプ大統領は、北朝鮮に対して会談は6月12日より後に行うことは依然可能だとの意思を示しているが、同時に記者団に対して米軍はつねに「準備状態にある」と述べるなど北朝鮮に対する厳しい姿勢をあらわにしている。
米朝首脳会談はもともと、韓国の文在寅大統領が米国に対して北朝鮮は非核化に関する交渉を望んでいると伝えたと同時に、米国務長官が金委員長はトランプ政権の目的をよく理解していると伝えたことで実現に向かった。
ところが、5月16日に北朝鮮が、韓国高官らとの協議を中止したうえ、米朝首脳会談も見合わせる可能性がると「脅した」ことで風向きが一気に変わった。今回の中止によって米朝関係はまた新たな段階を迎えることになると同時に、米韓関係や朝鮮半島における米国の戦略も影響を受ける可能性がある。
そこで、北朝鮮ニュースは朝鮮問題の複数の専門家に、今回の発表に対する反応と、今後の米朝関係や朝鮮半島問題はどうなるかについて見解を聞いた。以下の専門家から締め切りまでに回答があった。
ケルシー・ダベンポート氏、軍備管理協会ディレクター
リサ・コリンズ氏、戦略国際問題研究所(CSIS)韓国研究センター特別研究員
ナオコ・アオキ氏、メリーランド大学国際安全保障センター教授
ステファン・ハガード氏、カリフォルニア大学サンディエゴ校国際関係・太平洋大学院教授
――トランプ大統領による米朝首脳会談中止を伝える書簡への反応は?