会談中止で米朝関係はどこまで「悪化」するか 将来的な交渉の可能性も示唆しているが・・・

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コリンズ:金正恩の対応を現時点で予測するのは困難だ。しかし、北朝鮮側が米国への対処と核兵器計画の廃棄に真剣に取り組んでいるのであれば、理性的な応答と協議の継続の必要性を彼らが理解することを期待できる。

北朝鮮が慎重な反応を示せば、米国との対話が再開する見込みはある。トランプ大統領は北朝鮮側との将来の協議の可能性をはっきりと残している。この予期せぬ展開にいかに対応するかは北朝鮮側の課題だ。

金正恩はすでに利を得ている

アオキ:金正恩が米朝首脳会談を実現しようとするかどうかは疑わしい。いずれにせよ、金正恩はこれまでの展開ですでに利を得ている。金は、以前よりも強固な関係を中国並びにロシアと構築した。米国による会談中止決定は韓国を難しい立場に追い込んでいる。また、金正恩は米国の指示による非核化のステップを踏まずに済む。

ハガード:北朝鮮、米国とも会談を行おうとしているように見受けられる。トランプ大統領の書簡はお世辞のようにすら見える。今後、会談が行われる可能性はあるが、6月12日ではないことは確かだ。

――マイク・ポンペオ氏は24日、最大限の圧力を今後も続けると繰り返し述べた。今回の動きの後、米国は、中国やロシアのようなアジア地域の関係国の支援を得られると考えているか?あるいは、首脳会談の中止によって、さらなる歪みが生じると考えるか?

ルッジェーロ:トランプ政権は中国に対し、米国が北朝鮮への制裁を緩めることはできず、もしそれをやれば、中国企業や個人、銀行が何らかの影響を受けると伝えるべきだ。ロシアはこれまで制裁を実施していないが、ロシアの銀行、企業、個人への制裁を順守するよう強いられるべきだ。

ダベンポートトランプ大統領が北朝鮮との首脳会談を中止し、「最大限の圧力」をかける戦略を続けるとした決定は、何もない中で突然下されたものではない。トランプ大統領は、中国やロシアを含む広範な国際支援の下で成立したイランとの核合意から離脱し、再びイランに制裁を科したばかりだ。

イラン制裁に対する強い抵抗と、その制裁が実行される方法をめぐる混乱により、制裁逃れや制裁実施の不徹底が、さらに広い範囲で起こるだろう。

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