会談中止で米朝関係はどこまで「悪化」するか

将来的な交渉の可能性も示唆しているが・・・

アオキ:中断自体は驚くべき事ではないが、タイミングはやや妙で残念なものとなった。しかも、中断の理由にも疑問が残る。

北朝鮮が核実験施設を爆破したすぐ後に中断を伝えるというのは、北朝鮮に間違ったメッセージを伝える可能性があるのと同時に、トランプ政権が無責任であるということで世界からの批判にさらされかねない。

トランプ大統領は書簡で、北朝鮮による「怒り」と「敵意」を会談中止の理由として挙げている。つまり、米国は北朝鮮が「酷いことを言った」から、北朝鮮の非核化を後押しする重要な首脳会談を取りやめた、と?これによって、両国の対話が下位レベルでも行われなくなるかもしれないことを懸念している。

北朝鮮の「思うつぼ」となる可能性も

ハガード:首脳会談までの時間が非常に短かったことは実現するうえで大きな課題だった。

しかし、最近のフォックスニュースでのペンス副大統領によるリビアモデルや武力行使の可能性、譲歩をするつもりはない、といった発言には入り交じったメッセージがあった。これは、またしてもトランプ政権内でも意見が一致してないことを表している。

――トランプ大統領は、将来的な交渉の余地を残したが、金正恩がこれに乗る可能性はあると思うか。

ルッジェーロ:首脳会談とは無関係な疑念として、金正恩には非核化に応じる戦略意思があるのだろうか。もしあるのならば、双方にある大きな隔たりを縮める努力をするのではないか。そうでなければ、トランプ政権は再び、さらに厳しい最大限の圧力をかけるに違いない。金正恩の先週の行動は、非核化に向けた戦略意思を持っていないことを表している。

ダベンポート:当分はないだろう。トランプ大統領の態度は、米国の核兵器保有の優位性に関する子どもじみた自慢を感じさせ、恩着せがましく挑発的だった。

トランプ大統領はまた、北朝鮮の核実験用トンネル爆破の直後、首脳会談の予定を中断した。 書簡の語気と、実験施設の取り壊しへの具体的な一歩を踏み出す北朝鮮の決定との間で、金正恩に、米国は「対話する意思のない非協力的な国」という色に塗りつぶす余地を与えてしまった。

そのうえ、もし金正恩が取引に応じないのであれば、北朝鮮を破壊し尽くすというトランプ大統領特有の詰めの甘い議論は、核兵器保有は体制を維持するために必要であり、米国政府は(北朝鮮による)服従を期待しているのであって交渉を期待しているのではない、とする北朝鮮政府の信念の思うつぼとなるばかりだ。

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