会談中止で米朝関係はどこまで「悪化」するか

将来的な交渉の可能性も示唆しているが・・・

ルッジェーロ:北朝鮮の平和条約に対する関心は、金一族の統治下で朝鮮半島を再統一するという長期計画の一環である。もし文大統領が南北朝鮮問題の協議を進めるなら、韓国の立場を弱化させ北朝鮮を強化することになるだろう。

韓国は難しい立場に置かれている

ダベンポート:言いづらい点ではある。韓国大統領府の最初のコメントは、韓国が首脳会談中止の決断に反対していて、トランプ大統領のコメントから距離を置こうとしていることを意味する。これは韓国の外交政策が首脳会談への道を開いたことを考えると当然だ。

しかし、トランプ大統領に対する韓国の反応が、ミサイル発射実験といった行為を含む段階的スパイラルの口火を切った場合、韓国が米国から距離を置くことはますます困難になる。

もし北朝鮮が米国と韓国の関係に亀裂を生じさせ続けたいなら、戦略的な動きとしては、南北朝鮮問題の対話を継続することだろう。結果として和平プロセスを、非核化から遠く離すことになる。

コリンズ:韓国は引き続き北朝鮮と米国の仲介役を続けると思う。文在寅政権としては、極度の緊張状態に逆戻りして北朝鮮への軍事攻撃を話題にするのは避けたいだろうから。今後数週間にこの状態がどう展開するかによって、韓国と北朝鮮の関係は再び急速に悪化するか、あるいは、米国と北朝鮮との関係が棚上げ状態となっているうちに板門店宣言で取り決められた条約に則って事を進める動きがあるかもしれない。

アオキ:韓国は難しい立場に置かれている。韓国政府は北朝鮮との外交を継続していくと思うが、韓国が単独でできることには限界がある。非核化を実現させるには、米国の介入が必要だ。

ハガード:文政権は今後、慎重にこれまでどおりの路線を進めていくだろうが、今回の中断騒動が一段落するまでは劇的なことは行わないだろう。

(ハミッシュ・マクドナルド記者、レオ・バーン記者)

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