会談中止で米朝関係はどこまで「悪化」するか

将来的な交渉の可能性も示唆しているが・・・

ダベンポート:またそれは、制裁による消耗を生み出し、米国の第二の制裁が国家の主権を侵しているとの認識を呼び起こす。要するに、そうした行動こそが、米国外交術の道具としての制裁の意義を弱め、北朝鮮への「最大限の圧力」というアプローチの継続をさらに難しくしてしまう。

加えてトランプ大統領は、これまでに何度も国際交渉の目標を変更し、実行可能な「プランB」を示さぬままに各種合意から撤退してきた。特に北朝鮮にとっては、いずれも北朝鮮の核開発プログラムに関する首脳会談や交渉を支援していた中国とロシア両国との不一致というリスクを高める。この両国は、米国の圧力政策はもはや信用できないと見なして、北朝鮮への制裁を緩和する可能性もある。

過去と同程度の制裁をかけるのは難しい

コリンズ:私の考えでは、韓国、日本、あるいは中国への通知なしに今回の会談が突然中止されたことで、過去と同程度の制裁を科し続けることが確実に困難になった。しかし、トランプ大統領が言うように、米国は最大限の圧力をかける予定であり、米国のこの取り組みを支援することが最大限の利益になると米国の同盟国が確信する可能性もある。だが、中国にとって話は別だろう。

中国が、米国は交渉において「不誠実な当事者」であるとみなした場合、また、米中関係が引き続き悪化する場合、中国は制裁の実施にあまり乗り気にはならないだろう。会談が中止されたことに対してロシアはすでに不満を表明している。ロシアは将来、今よりもさらに米国と異なる立場を取るかもしれません。

アオキ:最大限の圧力をかけるという米国の政策は、おそらく日本を除けば、主要な当事者の間で支持が弱くなると予想している。米国は、今回の会談を取りやめると発表したが、なぜそうするかについて納得のいく理由を示していない。

米政府が、同盟国である韓国など主要な関係国と相談した兆候はほとんどない。これは、主要な関係者に自身のやり方を示す方法としてはいいものではないだろう。

ハガード:短期的には、何かが変わる可能性はない。ただ、中国は静観しているだろう。仮に米国が方針を転換し、実際に約束から遠のくのなら、中国は事態をほとんど先送りにするだろう。

――今回の事は、米国と韓国との関係において何を意味するか。

ルッジェーロ:韓国はこうなることを予期しておくべきだった。北朝鮮はいつもの策を企んでいたのだ。米国は起こりうる北朝鮮の挑発に対応するため、韓国と連携する必要がある。

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