エアレース室屋選手、千葉戦への期待と重圧 母国開催の凱旋レースで3連覇なるか

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最終フライトとなるファイナル4で室屋は2番目に飛び、1番目のナイジェル・ラム(イギリス)のタイムより速いため、3位以内が確定となった。続くカービー・チャンブリス(アメリカ)も室屋のタイムに及ばず、室屋の順位が2位以上に。最後に飛んだマルティン・ソンカ(チェコ)は、果敢に攻め続け1周目のタイムで室屋を上回った。

2周目に入ってもソンカの勢いは増していたが、終盤に少し失速をしてゴールをした。会場からは大歓声が沸いた。室屋が0.105秒の差でソンカを破り、待望の初優勝を決めたのであった。

2017年の千葉で2連覇を達成

3回目の開催となった2017年千葉大会では室屋に熱狂するファンが多くなり、会場周辺を1人で歩けるような状況ではなくなっていた。そのため車で移動をするなどして、レースに集中できる環境作りに徹していたという。

予選4位の室屋は、ラウンド・オブ・14でペトル・コプシュタイン(チェコ)と対戦し、0.007秒と紙一重の差で勝利を挙げた。続くラウンド・オブ・8の対戦相手はマット・ホール(オーストラリア)で、先行の室屋はインコレクトレベル(エアゲートを水平に通過できない違反)のペナルティを犯してしまったのだ。

だがマット・ホールもまた、クライミング・イン・ザ・ゲート(水平ではなく上昇しながらエアゲートを通過する違反)のペナルティを受けてしまい、室屋がどうにか勝利を奪い取った。

千葉大会2連覇を果たした室屋選手(写真:Jason Halayko//Red Bull Media House)

ファイナル4に入っても、室屋に勝利の女神が微笑んでいた。マティアス・ドルダラーとマルティン・ソンカもペナルティを受けてしまったのだ。

室屋は安定的なフライトを敢行すると、ペトル・コプシュタインよりも速かったため、悲願の連覇を達成。このシーズン、第2戦(サンディエゴ)に続く2連勝と勢いに乗った室屋は年間4勝を遂げ、初の年間総合優勝を果たしたのだった。

ディフェンディングチャンピオンとなった室屋のチームファルケンは、昨年の10月の最終戦(米・インディアナポリス)の後から2018年2月の開幕戦(アブダビ)までほぼ休みなしで機体の改良を進め、シーズンに突入した。

室屋選手の機体のコックピット部分(筆者撮影)

初戦で2位となり上々の滑り出しを切って迎えた4月の第2戦の仏・カンヌ。機体を大幅にアップデートして挑んだ。

開幕戦からカンヌまでに2ヶ月半もの期間があったため、室屋のチームはウイングチップ(翼の周辺に出来る空気の渦を制御する翼の一部)とエンジンカウル(エンジンの冷却の役割も果たすカバー)の改良に取り掛かった。

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