エアレース室屋選手、千葉戦への期待と重圧 母国開催の凱旋レースで3連覇なるか
昨シーズンのウイングチップは平らな形状であったが、翼の先端を斜め上に曲げたものを導入した。
機体がターンや急旋回をしたときに、翼の周りに空気の渦が生み出されるので、「その渦をいかに制御するかがターン時にタイムを縮めるポイント」(室屋氏)となるのだ。テストデータをカンヌで採っただけだが、「0.2秒程は速くなっています」(同)と、かなりの手応えを感じていた。
新しいエンジンカウルは、エンジンがオーバーヒートしないで冷却効率を上げることができるように設計されている。
冷却状態に関してはフランスでも実証されているが、「調整を重ねることで、まだまだスピードを上げることができる」(室屋氏)とのことだ。
カンヌでは機体の改良によりフライトが安定し、予選を6位で終了した。1位のマイケル・グーリアンと室屋のタイム差は0.383秒で、決勝に向けかなりの混戦状態となった。
ファイナル4では、フライト中に不運なことに最終ゲートで横風を受けて対応できなかったために、4位でフィニッシュした。だが、全体としては、ほぼ納得のいくレースができたようで、どのような状況でも対応できるように対策を練っているという。千葉戦に向け期待が持てる内容となっただろう。
千葉戦に向けての心境
前回のカンヌでは、急に吹いた風によりバランスを崩して失速した。千葉に関しては、基本的に風が吹くパターンを把握しているので、「予測しているので恐らく大丈夫」(室屋氏)と自信をみせていた。
「会場に来ていただいて、どのような世界で飛んでいるのかを体験してほしいですね。『こんなスピードで、こんな音なんだ』と感じることができます。観衆がたくさんいると、モチベーションは上がりますので」
千葉市は、1912年、日本で初めて開設された民間航空誕生の地でもある。会場となる千葉市美浜区の幕張海浜公園には東京湾に面した日本最長の人工海浜があり、富士山や東京スカイツリーを遠望することができる。
レッドブル・エアレース千葉大会は、25日(金)のテストフライトを経て26日から予選が始まる。
王者・室屋が千葉3連覇を成し遂げるか、目が離せない。
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