就活「フライング選考」、経団連の呆れる実態 会長の出身企業すら「指針」を守っていない
就活指導をしている私は、日々、彼ら・彼女らが志望している企業の採用情報を聞いています。まだ5月ですが、「内定を受け取った」という話もよく聞きます。実際、5月9日の「日経新聞」朝刊によると、5月1日時点での内定率は42.2%。4月1日時点よりも23.1ポイントの上昇だと報じられています。
しかしこれは、経団連が発表している「採用選考に関する指針」に矛盾する結果です。「指針」によると、5月1日の時点では「内定」はおろか、「面接」もしてはいけないことになっているのです。
では、ほぼ5人に2人が受け取っている「内定」は、経団連以外の会社のものなのでしょうか? それとも、何か「抜け道」があるのでしょうか?
そもそも「採用選考に関する指針」とは
まず、経団連の「採用選考に関する指針」をおさらいします。経団連のホームページに掲載されている「採用選考に関する指針」には、以下のように記されています(強調は筆者)。
学生が本分である学業に専念する十分な時間を確保するため、採用選考活動については、以下で示す開始時期より早期に行うことは厳に慎む。
広報活動:卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降
選考活動:卒業・修了年度の6月1日以降
なお、活動にあたっては、学生の事情に配慮して行うように努める。
正式な内定日は、卒業・修了年度の10月1日以降とする。
さらに具体的な「本指針の手引き」として、「選考活動における留意点」があげられています。そこには、ウェブテストやテストセンターの受験、エントリーシート提出などの「広義の選考活動」に時期の制限を課すことは適当ではないため、選考開始時期(6月1日)より前に自粛すべき活動は、「狭義の選考活動」に該当する「面接」と「試験」のみとすると記されています。
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