就活「フライング選考」、経団連の呆れる実態

会長の出身企業すら「指針」を守っていない

では、経団連に所属している企業は、この指針を守っているのでしょうか。私は毎年70人程度の学生に直接、就活コーチングをしており、1人の学生が10~20社の企業を受験しているため、1000社以上の選考活動の情報が集まってきます。

以下では、私が直接知っている就活生からの情報をもとに、現在の経団連会長・副会長が所属している会社を見ていきましょう。

経団連会長・副会長の所属企業はどうなのか?

経団連の会長・副会長は現在、以下の19社から選出されています。

会長:東レ
副会長:日立製作所、JXTGホールディングス、日本電信電話、野村ホールディングス、日本生命保険、三菱UFJ銀行、三菱重工業、住友化学、三井物産、日本郵船、東京ガス、三菱商事、三越伊勢丹ホールディングス、三井住友フィナンシャルグループ、大成建設、新日鐵住金、三菱電機、トヨタ自動車
6月1日以前に「面談」などをしているのは19社中11社

この中で、6月1日以前に「最終面接」をしている企業はありません。しかし「面談」「座談会」「交流会」などと称して学生を呼び、「実質的な面接」をしているのは、日立製作所・三菱UFJ銀行・三井物産・日本郵船・東京ガス・三菱商事・三越伊勢丹・三菱電機「以外」の11社にのぼります。

「面接」と「面談」は、いったい何が違うのでしょうか。実態として、両者は「採用選考活動」という意味でまったく同じです。こうした事実をいちばんよく知っているのは人事担当者や学生本人ですが、採用・就職業界で働く人にとっても半ば「常識」となっています。

すべての会社が10月1日以前に「内々定」を出している

では、採用内定日はどうでしょうか? これらの19社が「内定」を出すのは10月1日です。しかし19社すべてが、6月中には「内々定」を出します

法律的には、「内定」と「内々定」は違うと解釈できるといわれています(取り消し要件など)。しかし、受け取る学生の立場からするとどうでしょうか。「内々定」をもらえれば「内定」ももらえると思うのが当然です。実際、私が知りうるかぎり、すべてのケースでそうなっています

「指針を守っている」と言えるか

経団連の会長・副会長の所属企業19社のうち、規定日より前に「面接」はしていないけれど「面談など」をしている企業は11社。規定日より前に「内定」は出さないけれど「内々定」を出している企業は19社すべて。

次ページひかえめに言っても…
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