「妻が夫をコーチする夫婦」の幸せの在り方 「夫婦で矢印の向きを合わせることが重要」

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大学のダンスサークルで知り合ったふたり。麻莉子さんのほうが先輩だ。「彼女は当時からアクティブで目立つ存在でした」と聡さん(写真:OCEANS)

夫婦のカタチは人それぞれ。その数だけ、異なる幸せがある。たとえ一般的なスタイルと一線を画すものであっても、当人たちが納得していればそれでいいのだ。当連載では、ステレオタイプな「理想の家族」の型にはまらず、独自のスタイルを持つ夫婦を取材。異色ながらも円満な結婚生活を通じ、多様な幸せの在り方を探る。

当記事は、『OCEANS』の提供記事です。元記事はこちら

今回お話を伺ったのは結婚7年目の二ノ宮夫妻。証券マンの夫・聡さん(32歳)、マザーズコーチ・夫婦コンサルタントの妻・麻莉子さん(旧姓:有宗)、2歳と3歳の子供の4人家族だ。

二ノ宮夫妻はただの夫婦関係にあるだけでなく、やや特殊な関係性も持っている。なんでも、妻が夫を「コーチング」しているというのだ。いったいどういうことなのか?

毎月1回30分、妻から夫へのコーチング

コーチングとは、対話によって相手の悩み、感情などを掘り下げ、当人も気づいていなかった課題や欲求、深層心理を可視化するスキルのことだ。基本的にビジネスシーンで用いられる。

二ノ宮家では毎月1回、妻による夫のコーチングが行われるという。

麻莉子さん「金曜の夜、子供が寝たあと30分くらいですね。テーマはそのときどきで夫が抱えている悩みや不安、目標などについて。その際は妻と夫ではなく、『コーチとクライアント』として接します」。

かつては「喧嘩してネギが飛んできたこともあります(笑)」と振り返る聡さん。コーチングを取り入れて以降、喧嘩は減少したそうだ(写真:OCEANS)

聡さん「あくまで僕はクライアントという体ですから、例えば『妻に対する不満』なんていうテーマでも遠慮なく話します。それを妻はコーチとして冷静に受け止める。以前は私が不満をもらすと妻は怒ったり泣いたりしてしまって、言いたいことを言い切る前に対話が止まってしまっていた。でも、今は最後まで思いを伝えられている。初めて妻からコーチングを受けたとき、すごくスッキリしたことを覚えています」。

“夫婦”として向き合うと棘のある会話でも、“聞き手・話し手”という役割、客観性を互いに与えることでストレスフリーになるという。実際、コーチングを始めてからは喧嘩も減ったそうだ。

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