リハなし!「さまぁ~ずハウス」人気の舞台裏 「せりふが頭に入らないのが悩み」と三村さん

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実際にレビューを見ると、辛辣な意見がさく裂しています。たとえば「あのハゲメガネPは引っ込んでろ」や「スタッフが出てくる意味がわからない」など。それだけ熱があるということでもありますが、そんなありのままの視聴者の声に時に葛藤しながらも、番組の制作を担当するプロダクションサイドも悩みながら、反映するかどうか、つねに検討していることがこの取材で確認できました。

「まだまだ進化していきたい」

この番組は極東電視台という制作プロダクションが制作を担当しています。地上波では『モヤモヤさまぁ~ず』(テレビ東京系列)や『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系列)など長年愛されている人気番組を手掛けているバラエティが得意なプロダクションです。さまぁ~ずさんや番組スタッフと、日々やりとりが行われているようです。それがわかったのは「そもそも、家で台本を読む暮らしをするとは思いもよらなかったし。今、生活の中で『さまぁ~ずハウス』の比重がだいぶデカい(笑)」という三村さんの言葉でした。「比重が大きい」とはどういうことなのか、さらに聞いてみると、番組内でも見せない番組づくりの裏側が見えてきました。

「台本にもわれわれの案を出しています。作家1人に背負わすよりも、収録終わりにみんなで集まり、『大竹と娘役の組み合わせがまだない』とかそういう話をしながら、すり合わせていきます。完全に与えられた台本だと、コント師として、ちょっと文句出ちゃいますから。特に大竹さんが文句出ちゃう(笑)」(三村さん)

「(文句は)出ちゃわないですけど(笑)。どこまで視聴者に見せたほうがいいのかは考えます。わかりやすくするために、『家族相関図』を途中の回から入れたり、せりふの字幕は必要ないと思ったから、やめたり。どんな説明が必要かとか、話し合い、柔軟に対応しています」(大竹さん)

「楽しんで見ていただきたいですからね。それに、まだまだ進化していきたい。この先も面白い回があると思います」(三村さん)

シーズン1は20話まで予定しています。この番組の面白がり方がおわかりいただけたでしょうか。この番組には新しいメディアだからこそ既存のやり方を打ち破るようなコンテンツの作り方があります。もっともっと冒険してほしい、長せりふに挑戦してほしいなど、筆者自身も視聴者願望などがつい出てしまいます。距離感を近く感じさせる番組だからでしょう。だから、さまぁ~ずファンはもちろん、ありきたりの番組では物足りない新しもの好きにもぜひオススメしたい番組です。

長谷川 朋子 コラムニスト

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はせがわ ともこ / Tomoko Hasegawa

メディア/テレビ業界ジャーナリスト。国内外のドラマ、バラエティ、ドキュメンタリー番組制作事情をテーマに、テレビビジネスの仕組みについて独自の視点で解説した執筆記事多数。最も得意とする分野は番組コンテンツの海外流通ビジネス。フランス・カンヌで開催される世界最大規模の映像コンテンツ見本市MIP現地取材を約10年にわたって重ね、日本人ジャーナリストとしてはこの分野におけるオーソリティとして活動。業界で権威ある「ATP賞テレビグランプリ」の「総務大臣賞」の審査員や、業界セミナー講師、札幌市による行政支援プロジェクトのファシリテーターなども務める。著書は「Netflix戦略と流儀」(中公新書ラクレ)。

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