すぐ辞めそうな社員もガチで教育すべき理由

若年世代は学びたがっている

――企業は社員教育にどれくらいの予算をかけているのでしょうか?

2000年代初めを振り返ってみると、米企業は年間1000億ドルを研修用コンテンツに費やしていました。われわれの推定では2013年にその額は3000億ドルになり、2018年には6000億ドルまで増えると予想しています。

これほど急激に増える理由は、デジタルメディアやユーザーによって研修用のコンテンツが作成されるようになるからです。しかしここで問題になっているのは、企業側がまだこうしたさまざまなコンテンツに対応する準備ができないということです。

「働きがいのある会社」と思われることが重要

――若い世代は気軽に転職を繰り返す傾向があります。2年程度で退職する社員もいることがわかっていても、企業は学習に投資すべきなのでしょうか?

ジョブホッピングは今に始まったことではなく、特に大都市圏では昔から見られることです。昔と違うのは、中小の都市でもこの傾向が強くなっている点です。そこで生じる疑問が、研修に投資するより、すでにトレーニングを積んだ人材を雇うべきなのではないかということです。しかし、人材の採用には多大なコストがかかるため、結果的にもっと大きな負担がかかることがあります。しかも、高いコストをかけて採用した人材が会社を辞めないという保証はありません。

このバランスをうまく取り、「この会社が働きがいのある会社なら、ここで働きたいと思うだろう」と言われるようにならなければなりません。しかし、実際にはそうした職場ばかりではありませんから、転職という形で意思表示が行われるのです。

――研修やトレーニングは経費削減の標的になりがちです。トレーニング経費を削減したいと考える企業に対して、言いたいことは?

企業の間にはいまだに、トレーニング予算を真っ先に削るべきだと考える意識があります。しかし、社員のトレーニングは1度やれば済むというものではなく、継続した投資が必要なのです。ビジネスリーダーたちもこの点に気付き始めています。

「もっと学習におカネをかけなければならない」という認識には至っていませんが、社員の知識レベルをもっと把握できるようにすれば、短期間で目指す成果に近づくことができることに気付き始めているのです。

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