東京ステーションホテルの客がアツい理由 「帰りたくない!」など熱いコメント続出

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見物客も入れる、パンフも出し惜しみしない

――東京五輪も決まって、インバウンド(訪日旅行)が増えてくると、外国人スタッフが増えるかもしれませんね。

今は宿泊客の8割強は国内の方ですが、今後は国際的なマナーや儀礼を積み重ねていく必要があるでしょうね。ここは駅の中のホテルですから。「ステーションホテル」を名乗る以上、すべての方を受け入れる。

正面玄関。オープン時も今でも、ふらりと中を訪れる観光客が絶えない

開業直後は物見遊山でゾロゾロ入ってこられる見物客がすごかったので、スタッフから「ちょっと待ってくださいという案内を出すべきだ」とか、「お泊りになる方のための最優先スペースを確保するべきだ」とか、そういうリクエストもありました。エレベーターも満員で動かないし。

見学の方はこちら側から入ってとか、階段で行ってほしいとか、相談がありましたが、すべて却下しました。

――どんなに混雑していようとも。

パンフレットもなくなる。いいパンフレットを作りましたけど、1日何百部と出ていく。明らかに宿泊客ではなく、予約をしようとお考えの方でもないと想像できます。そして当然、足りなくなり、増刷をかけなければならなくなる。そこまでコストはみていない。それでも全員に配る。

たまたま通りかかったら、そういえば東京駅が新しくなったというから、ちょっと寄って行こうかと家族で中へ入って、パンフレットを持って行く。家へ帰って「お父さん、今日楽しかったね」と旅のアルバムにする。

「それでいいじゃないか、そういうホテルにしなくてはいけない」と言い続けています。

(撮影:風間仁一郎、尾形文繁)

※この記事の後編は、10月28日(月)に公開予定です。

 

筆者が手掛けた東洋経済オンラインのホテル連載が、電子書籍「1泊10万円でも泊まりたい ラグジュアリーホテル 至高の非日常」(小社刊)になりました。10万円以上するような部屋に泊まりたいと思わせるラグジュアリーホテルの魅力とはいったい何なのか。厳選9ホテルの総支配人たちが大いに語っています。

山川 清弘 東洋経済『株式ウイークリー』編集長兼「会社四季報オンライン」副編集長

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やまかわ きよひろ / Kiyohiro Yamakawa

1967年、東京都生まれ。91年、早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。東洋経済新報社に入社後、記者として放送、ゼネコン、銀行、コンビニ、旅行など担当。98~99年、英オックスフォード大学に留学(ロイター・フェロー)。『会社四季報プロ500』編集長、『会社四季報』副編集長、『週刊東洋経済プラス』編集長などを経て現職。日本証券アナリスト協会認定アナリスト、日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト。著書に『世界のメディア王 マードックの謎』(今井澂氏との共著、東洋経済新報社)、『ホテル御三家 帝国ホテル、オークラ、ニューオータニ』(幻冬舎新書)など。

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