拉麺選手権で解説「ブロックチェーン」の基礎

応用できる範囲が「驚異的に広い」理由

技術的なことは難しいので、ここではイメージをつかんでもらうために、北九州ラーメン王座選手権をケースに、ブロックチェーン3.0の実用化例を解説しましょう。

少し前の話になりますが、このラーメン選手権の投票システムにブロックチェーンを応用した検証実験が行われました。近畿大学の山﨑重一郎教授と地元飯塚のベンチャー企業・ハウインターナショナルが開発した投票システムです。

私も見学に行きましたが、ラーメンイベントの会場で、お客さんたちは皆さんラーメンを食べに来ているのに、場違いにパソコンを開いてプログラムを書いている集団がいて驚きました。

各地で行われているラーメン選手権に参加したことがある人なら知っていると思いますが、投票は自分が食べて美味しいと思ったラーメン店の投票箱にラーメンの容器を入れることが多いです。一方、この検証実験では、参加者のスマホに投票アプリをダウンロードしてもらい、そのアプリから投票してもらう仕組みです。

「なるほど、容器を数える手間が省ける」と思われるかもしれませんが、効果はそれだけにとどまりません。

電子投票というと、1台のサーバーに参加者が投票するイメージが強いかもしれません。ただし、すべての投票データを1台のサーバーで管理するサーバー方式だと、悪い見方をすれば、運営者が票数をごまかすことができますし、外部からサーバーを攻撃することもできます。

誰も改ざんできない投票システム

一方、ブロックチェーンは、参加者が同等の立場でつながるP2P(Peer to Peer)ネットワークで動きます。参加者全員が全データを共有するわけですから、誰かが都合よくデータを改ざんすることはできません。投票システムにブロックチェーンの仕組みを使うことで公正な選挙が実施できるわけです。

しかも、ブロックチェーンでは、それぞれの取引データはブロックという束にまとめられ、マイニングと呼ばれるハッシュ計算(非常に複雑な計算で、高性能のコンピュータが必要)の競争に勝利したユーザーのみが有効なブロックをチェーンの最後に追加できます。

こうやってできたブロックの中に投票を記録した取引が格納されるため、この取引を改ざんしようとすると、それより後ろにあるブロックをすべて作り直さなくてはならず、これには大量の計算リソースが必要で、現実的に改ざんをすることは不可能に近いです。

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