業界の盟主ヤマダ電機、中間決算で赤字転落へ 売上計画が未達、通販サイトとの価格競争も厳しい

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山田昇社長。6月に会長から社長に復帰した。

11年に住宅メーカーのエス・バイ・エル(現・ヤマダ・エスバイエルホーム)を買収するなど住宅関連事業に注力しているが、こうした分野の専門人材の採用強化や、店舗での専門コーナーの設置など、先行投資の負担も重い。

また、中国事業の見直しに伴う南京店閉鎖など特別損失もかさみ、中間期の最終損益は従来予想の49億円から、42億円の赤字転落を見込んでいる。

ヤマダ電機は今回、中間期見通しの引き下げに合わせて14年3月通期の連結業績見通しも下方修正した。

売上高は1兆9410億円から1兆8890億円へ、営業利益は上期の赤字が響き459億円から274億円へ大幅に減額する。当初、通期で営業増益(前期の営業利益は339億円)を見込んでいたが、連続減益となる見通し。

下半期は、年末商戦で消費増税前の駆け込み需要が見込まれるが、競合激化による採算悪化は当面続く。業界の盟主の苦悩は、しばらく解消されそうにない。
 

風間 直樹 東洋経済コラムニスト

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かざま・なおき / Naoki Kazama

1977年長野県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒、法学研究科修了後、2001年東洋経済新報社に入社。電機、金融担当を経て、雇用労働、社会保障問題等を取材。2014年8月から2017年1月まで朝日新聞記者(特別報道部、経済部)。復帰後は『週刊東洋経済』副編集長を経て、2019年10月から調査報道部長、2022年4月から24年7月まで『週刊東洋経済』編集長。著書に『ルポ・収容所列島 ニッポンの精神医療を問う』(2022年)、『雇用融解』(2007年)、『融解連鎖』(2010年)、電子書籍に『ユニクロ 疲弊する職場』(2013年)など。

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