口うるさいフランス人が使う強烈な"皮肉" こんな「悪のマクシム」が生きる武器になる

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「もし、わたしたち人間の条件というものが本当に幸福だとするならば、わたしたちは幸福とは何かを考えようとする必要もなく、幸福になることができるはずなのだ」(ブレーズ・パスカル)

 

なぜ、私たちは幸福について考えるのでしょう。もし、人間が生まれついて幸福ならば、幸福になろうとして何ごとかのアクションを起こす必要はありません。逆にいうと、もともとが幸福であるのなら何もしないことが普通なのであり、何かしらのアクションを起こすというのは、不幸ではないにしても、幸福度が少し足りないと、感じているからなのです。

換言すれば、わたしたちのすべてのアクションは、自分は不幸である、あるいは幸福度が足りない。つまり、人間は本質的に不幸である、ということです。

人間関係に悩んだときのマクシム

人事異動や新しい職場で、新たな人間関係を築き始めている方もおられることでしょう。そんなあなたにお贈りしたいマクシムです。

「人それぞれの支配的情念を知っていれば、必ずやその人の好意を引きつけることができる」(ブレーズ・パスカル)

 

情念とは、『ラルース百科事典』によれば、われわれ人間をなにがしかの行動へと駆り立てていく強烈な感情の動きないしは状態のことですが、もしも、あなたの上役が陰謀を巡らしているときだけイキイキとしている陰謀情念の人であれば、いろいろな情報を仕入れてその上役に提供すればいい。あるいは、移り気情念の上役なら、新しく興味を持ちはじめた事柄を察し、その話題を振るようにすれば好意を引きつけることができます。

ひとことでいえば「サラリーマンたるもの上役の支配情念を知れ」。常に上役の情念がなんであるか、日々観察にいそしまなければならないのです。

「傲慢はすべての人間の中では一様なのであって、ただそれを外に表す手段と趣に相違があるに過ぎない」(ラ・ロシュフーコー)

 

一見、謙虚に見える後輩であっても、傲慢な上司であっても、表層的な態度に惑わされてはなりません。なぜなら、傲慢は誰の心の中にも必ず存在するものだからです。

傲慢は、常に何かに身を隠そうとしてその隠れ蓑を探しています。その隠れ蓑の中でも、最も適しているのが謙虚であるわけです。ですから、腰の低い後輩を謙虚だなんて惑わされると、きっと痛い目に遭うでしょう。彼の中にある傲慢を決して見逃してはならないのです。

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