筆者としては、遊び方に特許はそぐわない気もするが、おもしろいアイデアとは感じた。ゴルフはハードルが高いといわれる。料金や用具代の高さ、長時間かかるプレー、遠距離、なによりある程度の技術が必要なことが挙げられる。初心者がいきなり400ヤードのパー4の第1打を打って、どのぐらい前に進めるか、ホールアウトするまでに何回打てばいいか、といったプレーの難しさが、ゴルフを楽しく思えなくする理由の1つになりかねないからだ。
日本独自の「時間短縮」の特別ルールとして、OBがあるホールでOBにしてしまったときに「プレーイング4(前進4打)」というのが存在する。2発目はちゃんと飛んだとみなして、第2打地点にある専用ティーからペナルティを含めて「4打目」として打っていいという特別なルールを採用しているコースは多い。何発もOBにしなくて済む。その前進ティーを使ってゴルフをする感じというと、わかりやすいかもしれない。
同協会によると、この「Game54」を取り入れているゴルフ場は今のところ静岡県内の1カ所。
今後賛同してくれるゴルフ場を増やしていきたいとしている。ゴルフ場が同協会に入会するには、入会料10万円(税別)、月会費1万5000円(税別)で「Game54」の商標を使用でき、コンサルティングや専用ティーマークの提供などを受けられる。また、ゴルフ場側は1枚300円(税別)の専用スコアカードを協会から購入する。
プレー自体は気軽にできるのは確か
このプレースタイルが広まる可能性はあるだろうか。たぶん、住んでいるところから遠隔地のゴルフ場に、ワンゴルフをしに行くとはあまり思えない。通常のプレーをするゴルファーとの混在は難しいので「早朝や薄暮プレーが主体になる」(同協会)という制限もある。
ただ、プレー自体は気軽にできるのは確かで、料金設定も通常ラウンドの半額程度になるという。ハーフ(9ホール)が1時間ぐらいで回れるということなので、ゴルフ場の周辺自治体や学校体育との連携や、通常の1ラウンド回る前後にハーフで回りたいというようなニーズにはいいかもしれない。
また、協会に入会しなくても、このプレー方法はどんなゴルフ場でもやろうと思えば勝手にやれる。「特許があるので認めない」としながらも「(発覚しても)訴えるようなことはしない。もしやりたければ一緒にやりましょうということ」という。どれだけ多くのゴルフ場が入会するか、どう利用者が広がるかも未知数だが「多くの人にゴルフをやってほしい」という思いはみえる。
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