五輪特需、イベント音響・映像業界に波及 業界首位ヒビノ、長野の実績武器に東京も狙う

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2020年の東京五輪開催が決まり、観光、ゼネコン、不動産などの業界では特需への期待が盛り上がっている。その中で市場規模は大きくはないものの、五輪の大会運営そのものに密接にかかわる点で注目されるのが、イベント音響・映像業界だ。7年後の五輪のみならず、活況を呈するコンサート需要が足元では追い風となっている。
同業界首位のヒビノは、1998年冬季の長野五輪でも、各会場に設置された大型映像のオペレーションを一手に握るなど、裏方を務めた。長野に比べて会場数が倍の東京五輪で、同社はどんな役割を果たせるのか。日比野晃久(ひびの・てるひさ)社長に聞いた。

長野では約15億円の売り上げ

――東京五輪ではイベント音響・映像業界にも特需がありそうです。実際のところは?

ヒビノには、長野五輪で車載の大型映像を各会場に配置した実績がある。

映像サービスを提供しただけでなく、機材の販売も行ったため、売り上げの合計は15億円前後に上った。

長野では14の競技場に加え、開・閉会式や表彰式の会場など計19カ所に大型映像が設置された。基本的に仮設で入れたものはヒビノが全部対応し、会期中とその前後を含め1カ月近く100人前後のスタッフが長野に常駐した。その後のシドニー(2000年夏季)、ソルトレイク(02年冬季)、アテネ(04年夏季)などでも、オペレーションは現地で行われたものの、映像等の機器はヒビノから販売・レンタルした実績がある。

マラソン大会やモータースポーツ向けにも車載映像などを提供(写真は2013 AUTOBACS SUPER GT 第2戦 FUJI GT 500km Race)

五輪だけでなく、スポーツでも、イベントやコンサートでも、「人の集まるところの裏にはヒビノあり」というのが自慢だ。

国体(国民体育大会)については、今年の東京大会では当社は絡まなかったが、地方での大会にはだいたい絡んでいる。大きなマラソン大会や、F1をはじめとするモータースポーツ向けの仕事も多い。

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