五輪特需、イベント音響・映像業界に波及 業界首位ヒビノ、長野の実績武器に東京も狙う

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東京五輪に向けては、長野五輪の実績が大きな武器になる。東京五輪の会場数は38カ所で長野の倍。当社はイベント向け音響・映像で国内はもちろん世界でもトップクラスの体制を持ち、人も機材の量も日本一。100人規模のスタッフが必要でも対応できる。普段はコンサート向けなどの仕事をしている部隊が、計300人前後の技術スタッフを擁している。

――ヒビノは屋外広告向けにもLED(発光ダイオード)の大型ディスプレー設備を納入している。これも東京五輪に伴う設備投資ブームの恩恵を受けそうか。

ビックロ(ユニクロ新宿東口店)には、広告等の表示用に自社製LEDディスプレーシステムを納入

7月にはQFRONTビル(東京・渋谷駅前)に、国内最大級のディスプレーシステムを納入した。最近では渋谷ヒカリエ(同)、横浜スタジアム(横浜市中区)、ビックロ(ユニクロ新宿東口店、東京・新宿区)などにも納入した。足元ではアベノミクス効果で設備投資の新規案件や更新案件が活発化しており、東京五輪も追い風になりそうだ。

屋外での広告宣伝が「デジタルサイネージ」(電子看板)化していることも大きい。たとえば首都高速道路沿いには多くの看板がある。これを大型LEDスクリーンに変え、どの時間帯にどんな広告を流すかをデジタルで全部制御して入れ替えていく。そういう流れが去年ぐらいから始まった。スタートはスローだったが、加速している。

コンサート向け音響に強み

――コンサート向けの音響で長い実績がありますね。

1971年に来日したピンク・フロイド(イギリスのロックグループ)の公演に音響機材を提供したところから始まった。

コンサートでは当然、音響が重視され、これは当社でも40年以上やってきた。映像が重視されるようになったのは最近で、アリーナやドームなどでの大掛かりなコンサートツアーが増えてきたためだ。大きな会場ほど、ステージ上などでふんだんな映像が使われる。

たとえば、日本武道館(東京・千代田区)や横浜アリーナ(横浜市港北区)規模の会場で行われたコンサートで、ヒビノが音響・映像を受注できた占有率は65%。札幌・東京・ナゴヤ・大阪・福岡の5大ドームでは78%にも上る。

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