27歳、発達障害で性依存に陥った彼女の真実

「当事者が悩みについて話せる場を作りたい」

莉奈さんは、空気が読める・読めないの以前に「空気がわからない」と言う。その特性が、性依存に陥るきっかけとなった。中学生は性に関して興味が出てくる年頃だ。莉奈さんのクラスでも、「もう○○さんは初体験を済ませたらしい」という話題で盛り上がる日があった。性に関して、どんなことを経験したか周りのクラスメートが隠語を使いながら莉奈さんに聞き始めた。彼女はそれに答えないといけないと思い「これはしたことがある」「それはしたことがない」と大まじめに答えていたら、その反応一つひとつが悪い意味でおもしろがられ始めたのだ。

「性に関する質問がどんどんエスカレートしていき、自慰行為について聞かれ、それにも答えました。今思うと、『そういう話はしたくない』と答えればいいのに、それがわからなかったんです。もちろん、恥ずかしいという感情はありましたが、『聞かれたことに答えなくては』という思いのほうが、優先順位が高かったんです。嫌なことは嫌と言っていいという概念すらなかったのだと思います」(莉奈さん)

そしてついに事態は最悪の方向へ動く。莉奈さんの反応をおもしろがったクラスメートの1人が「お前、次の授業でしてみろよ」と命じたのだ。通常、そんなことを言われたら恐怖や恥ずかしさのほうが勝って拒否する。しかし、莉奈さんは言われたとおり、次の授業中、スカートの中に手を入れて自慰行為に及んだ。

「指示したクラスメートからは『おい、お前本当にやんなよ(笑)』と言われました。そして、学校で変なことをする気持ち悪い人というレッテルを貼られました。地元は田舎なのであっという間にそのうわさが広まってしまいました」(莉奈さん)

気づいたときには周りの人間関係が崩壊している

高校は吹奏楽の推薦で入学。自分のことを好きだと言ってくれる彼氏もできた。そして高校1年生のときに彼氏と初体験を済ませた以降、性行為の相手がいない時期はほとんどなく、パートナーを転々としているうちしだいに性依存に陥っていったという。

著書に『男が痴漢になる理由』(イースト・プレス)のある精神保健福祉士・社会福祉士の斉藤章佳氏を取材した際、「依存性とは、その行為を行うと経済的・身体的損失があるとわかっているのにもかかわらず、一時的な心の安定を得られることからやめられない行為」とおっしゃっており、著書の中でも以下のように語っている。

次ページ米国のプロゴルファーも話題になったが
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • ソロモンの指輪〜「本能と進化」から考える〜
  • ソロモンの時代―結婚しない人々の実像―
  • ボクらは「貧困強制社会」を生きている
  • 御社のオタクを紹介してください
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
史上最大の上場に賭ける<br>ソフトバンクの思惑

12月19日、ソフトバンクが上場する。過去最大規模の超大型上場だが、祭りの後は楽観できない。親子上場による利益相反、高い配当性向、キャッシュの流出など懸念材料は多数。同社の大胆な戦略の前提である安定した収益成長が崩れる日、事態は……。