休暇中にも仕事「ワーケーション」に賛否両論 有休取得率アップの効果もあるが課題は?
「ワーケーション」という言葉を聞いたことがあるだろうか。仕事(Work)と休暇(Vacation)を組み合わせた造語で、休暇中に旅先などで仕事をするという新しい働き方だ。
日本経済新聞電子版の「旅先で仕事『ワーケーション』認めます 長期休暇促す」(3月31日)と題した記事では、2017年度からこの制度を取り入れているJAL(日本航空)の事例を紹介している。
JAL広報によると、この「ワーケーション」はデスクワークの社員約4000人(グループ会社含む)を対象に、長期休暇の取得を断念しないための施策として始められた。半日単位(4時間)で認められており、所属長の了解が得られれば理由を問わずテレワークすることが可能。合計で4時間になれば問題ないという。結果として、2017年の有給取得率は90%(全社員の合算)と15年より17ポイント増えた。
こうした新しい取り組みについて、ネットでは「仕事をしていたら休暇じゃない」「本末転倒ではないか」といった批判もあれば、「おカネが入るならいいんじゃないか」といった声も上がっている。
まだまだ聞きなれない制度だが、「ワーケーション」について、労働問題に詳しい弁護士はどのように評価するだろうか。
長期の休暇を取得しやすくなる
山田長正弁護士は「働き方改革に繋がると評価できる」と話す。
「会議など1週間のうち1日だけは休めない日があるような場合でも、この制度を使えばその日以外は休むことができます。長期の休暇を取得しやすくなり、休暇に関する選択肢も増える以上、働きやすさが向上するでしょう」