共学校が男尊女卑を促しかねないという逆説

もはや絶滅危惧種!?男子校・女子校の魅力

運動会において、女子は勝つこと自体に喜びを見出すのではなく、チームの団結力を高めること自体に喜びを見出すからだそうだ。また、先輩たちからあれこれ指示されるのも嫌。

このことから導き出せる仮説は、「男子は命令系統によって縦型の組織をつくるのが好きだが、女子は共感によってフラットな組織をつくるのが好き」。

蛇足になるが、そう考えると世の夫婦によくある葛藤も説明が付く。「女性は察してほしいと思うが、男ははっきり指示してほしい」。お互いに甘えているわけではなくて、得意なコミュニケーションの方法がそもそも違うかもしれないのだ。

男子も女子もいる中で、男性であることや女性であることにかかわらず、それぞれの個性に応じた教育を受けられることが理想なのかもしれない。しかし、その方法が明確でない場合、男女共学の環境では、むしろ世の中のジェンダー意識がそのまま再生産されてしまう危険性がある。

たとえば男子校の野球部では、女子のマネジャーがおにぎりを結んでくれたり、洗濯してくれたりなどということはありえない。全部自分たちでやらなければならない。逆に女子校の文化祭では、重い荷物を運んだり、大道具を組み立てたりということも、男手に頼らず女子のみでやり遂げる。男子校・女子校の中には「男の役割」「女の役割」という性差の概念がない。

逆に共学校の教室の中には男女両方がいるからこそ、大人たちの社会の性的役割意識がそのまま入り込んでしまう危険性がある。異性の目を気にすることで、まったくの無意識のうちに「男らしさ」とか「女らしさ」にとらわれてしまうというリスクもある。共学の教室の方が、“現状の男女不平等社会に自然に適合するという意味で合理的”なのかもしれないのだ。

「共学のパラドクス」

これは「共学のパラドクス」である。現実社会が男女共同参画社会になっているのなら、共学校の教室の中でもその価値観の再生産が行われるだろうが、現実社会に性差別が横行しているのだとしたら、共学校の教室は男女共同参画社会を推進するうえで足かせにもなりかねないのだ。

実際海外では、男女別学校の出身者のほうが、その後の進路を性別に左右されにくいという研究結果も複数報告されている。

もちろん共学のメリットもある。男女がお互いの長所を知り、弱点を補い合うことができる。たとえば女子がコツコツを日々の勉強を頑張る姿を見て、瞬発力勝負になりがちな男子も少しはコツコツと勉強する習慣が付くという効果がある。逆に大学受験直前にものすごい集中力で追い込みをかける男子生徒の様子を見て、女子も追い込みのペースを上げるという効果もある。

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