名大・岐阜大「協議はトントン拍子」の舞台裏 見えてきた「大学統合」の理想と現実
東海地方の国立大学法人の統合を目指す協議が、本格的に動き出した。4月18日には「東海国立大学機構(仮称)」を設立するための検討協議会の初会合がもたれた。名古屋大学の呼び掛けに応じて、岐阜大学のみが参加した。少子化や経営難という現実を越え、「世界」の理想を追う動きとなるかどうかは、未知数だ。
月1回以上の協議会を開催へ
名古屋大学の本部事務局棟の会議室。詰め掛けた数十人の報道陣に対して、協議のテーブルに用意された席は6つ。名大側が総長、副総長、事務局長で3席、岐阜大側が学長と2人の副学長で3席というセッティングだった。
冒頭、名大の松尾清一総長は「わが国の高等教育は少子高齢化やグローバル競争で極めて厳しい環境にある。一方で国立大学の機能強化が重要な課題だ。そのために複数の大学が新たな枠組みを構築し、教育、研究、国際化、社会連携などの戦略やリソースを効果的に共有、量的拡大とともに質的向上も図れば、地域発展にも貢献できる。今回、このような考えを共有できた岐阜大学と具体的な構想をまとめ上げ、両大学をさらなる高みに押し上げるため努力していきたい」とあいさつした。
岐阜大学の森脇久隆学長も日本の大学がさらされている厳しい競争環境を強調しながら、「解決策の1つとして『一法人複数大学』が提案されようとしている。これをどういうモデルとして実現できるか。丁寧で深みのある議論を、一定のスピード感をもって進めていきたい」と決意を述べた。
この後、協議は非公開で1時間余り行われ、今後も月1回以上の協議会を開催すること、両大学の担当理事を決め、機構の設置準備室を名大に置くことなどが決まった。
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