名大・岐阜大「協議はトントン拍子」の舞台裏 見えてきた「大学統合」の理想と現実

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記者からの取材に応じる両大学のトップ(筆者撮影)

「目指すべき方向性、メリットについて有意義な意見交換ができた。なるべく早い時期に構想を実現させるため、いいスタートが切れた」と晴れやな表情で終了後の取材に応じた森脇学長。その「ゴール」については、松尾総長が「最長で年度内。もし早い時期にできるならもっと早く最終合意に至りたい」と述べ、両大学間ではトントン拍子で話が進む見通しを示唆した。

一方で、他大学については「議論の進捗によって、情報は他の大学ともできるだけ共有したい。そのうえで積極的に加わりたいというところが出てきて、幅が広がるのはいいと思っている。手を挙げてもらえることを祈っている」と呼び掛けた。

三重大は参加見送り、工科大は声掛からず

もちろん、両大学だけでも県境を越えた統合のインパクトは大きい。しかし、スケールメリットを目的の1つに掲げている以上、2大学では物足りないのも事実だろう。

名大は今回、いくつの大学に声を掛けたかは公表していないが、担当部署の企画課は「まず総合大学から声を掛けていく中で岐阜大学さんが名乗りを上げられた。各大学の事情があるので、この地域のすべての大学に声を掛けたわけではなく、かといって声を掛けないから門戸を閉ざすわけでもない」と説明する。

隣県の総合大学である三重大学は、「正式に声が掛かって検討したが、地域活性化を重視する当大学の方針に対して、今回の法人統合という構想はそぐわないと判断した」(広報室)と参加を見送ったという。今後、途中から協議会に加わる可能性も考えにくいとした。

同じ愛知県内の国立大学法人である名古屋工業大学や豊橋技術科学大学には、協議会発足時点で打診がなかった。

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