「病気の子は親が看ねば」という親たちの呪縛 「プロ」と分業するのは後ろめたいことか

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「親がやることだ」に縛られていた

私が利用していた病児保育は、マンガでも描いたように、予約や準備や送り迎えがそれなりに手間でした。でも、どうしても仕事が休めない状況で病児をイライラバタバタに巻き込むよりは、プロに任せてしまったほうが親子共に精神的に平和に過ごせる、手間よりそこを大事にしたい!というのがわが家の結論でした。

たまたまこの病児保育の施設や先生たちがとてもよかったというのも大きな理由のひとつです。おまけに、ここはもともとが安いのに、区で発行されてた子育てクーポンを使うことによってさらに安く利用することができました。いろんな意味でありがたかった!

ちなみに、病児保育専門のシッター会社というのもあります(フローレンス)。こちらはもっと高額になりますが、病児を外に出さなくていいし、病児保育室での万が一の感染も防げて、準備ももっと楽。シッター中に専門医の往診サービスがついていたり、緊急時の対応もしっかりしているようです。

病児保育のシステムはまだまだ不足しているとはいえ、少しずつ増えつつあります。私が住んでいた区でも、以前は1カ所だったのが今は3カ所に増えていました。もし病児保育利用に興味を持った方は、まずはお試しして、子どもとの相性などを含めて判断することをオススメします。

とにかく、頼れない家族よりは、頼れる他人のプロフェッショナル! 私が育児をしていて何度も実感したのはこれでした。もちろん、家族で余裕を持ってみられるのがベストではありますが、日本の労働状況だとなかなか難しいから……。(ちなみにもうひとつ育児中に何度も思ったのは「頼れない家族よりも、頼れる他人のご近所さん!」です。助けてくれたご近所のみんな、ありがとう涙)

というわけで、今回のまとめ。

病児の看病をめぐってもめるのがつかれる
病児保育を利用してみる

さて、みなさんの家庭では、子どもの病児の看病はどんなふうに家族で分担していますか? 分担の仕方や、病児保育などの外部委託を利用したことがあるかなど、よかったらぜひコメント欄で教えてください。

次回は、家事育児の外部委託についてその2、「ベビーシッター」がテーマです。

ハラユキ イラストレーター、コミックエッセイスト

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はらゆき / Harayuki

雑誌、書籍、広告、Webなどの媒体で執筆しつつ、コミックエッセイの著書も出版。2017年から約2年間バルセロナに住んだことをきっかけに、海外取材もスタートさせる。著書に『女子が踊れば!』 (幻冬舎)、『王子と赤ちゃん』(講談社)、『オラ!スペイン旅ごはん』(イースト・プレス)、この連載を書籍化した『ほしいのはつかれない家族』(講談社)など。この連載のオンライン・コミュニティ「バル・ハラユキ」も主宰し「つかれない家族をつくる方法」を日々探求、発信中。ハラユキさんのHPはこちら

 

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