しかし、アエラでさえこういう状況が起こるとなると、みなさまの会社も笑っている場合ではありませんよ。一刻も早く、社員にリーディングスキルテストを受けさせてみることを強くお勧めします。
ざっくりいいますと、100人規模の会社には30人ほどリーディングスキルテストをクリアできない人が存在しています。あらゆる意味で仕事の障害になることは明らかなので、見つかった場合、重要な役割から外すか、再教育するか。いずれにせよ、早く決断した方が時間の節約とリスクの軽減につながります。まさに、あらゆる経営者に読んでほしい著作であります。新井先生と私のアエラ対談とともに、ぜひどうぞ。
中国の「2035プラン」をどう読むか
話はがらっと変わって中国の「2035プラン」の話をします。これは先日、習近平国家主席が北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長に対しても発言した、とされて話題になっていますね。
要するに、「中国は2035年にはGDPから何から何までアメリカを抜くという目標を立てた」、と習近平が宣言したわけですね。まあ、権力体制が固まったので、次の目標はアメリカを追い抜くということのようです。
私は中国から自分のビジネスを撤退させて10年たちますが、法律から何から何まで中国共産党の独断で、やりたい放題に変えられるのに嫌気がさして逃げてきた、というのが正解です。
先日の記事で、そのうち東京のマンションを中国の領土と言い出しかねない、と書いたところ、「領土の意味すらわかっていないエコノミスト」、「法律を知らない」、などというコメントまでいただきました。申し訳ありませんが、中国人相手に「国際法」などと言っている時点で、それこそが大間違いでありまして、ビジネスの世界では全く通用しません。中国国内では裁判にすらなりません。泣き寝入りしか方法がないので、大手企業でも例えばある大手建設会社などは1990年台から中国には一切かかわらない、という方針を決めています。
さて「果たして中国は2035年に…」ということになるわけですが、もうこれはコメントするのもばかばかしいわけでありまして、なぜなら中国の経済統計は共産党の目標に合わせるようにいわばねつ造されているわけでありまして、ソビエト連邦崩壊後、実際のGDPは公表の半分もなかった、ことを知っているエコノミストからすれば、こんなばかばかしい数値目標をいちいち本気で取り上げる気にもならんわけでありますな。
これに関しては、今は首相である李克強首相が2007年に「語った」話が伝えられています。この年、記念すべき第1回ダボス会議が大連で行われ、遼寧省の共産党委員会書記を務めていた(つまりホストだった)李克強氏はアメリカの経済界代表とのディナーに臨んでいました。
アメリカ側が「中国はこんな高い経済成長目標を達成できるのか」、と尋ねたところ、「あんたたち、中国の経済統計を本当に信じてるのか?」と発言したというのです。もちろんオフレコだったわけですが、不幸にも例の「ウィキリークス」で暴露された文書の中に、これが入っていてバレた、というオマケ付きの話なのであります。
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