岩城:つみたてNISAについても、しっかり覚えてください。これは、年間40万円を上限に、運用利益への課税がゼロになる制度です。非課税期間は投資した年から最長20年間で、最大800万円まで投資をすることができますので、史織さんの場合、リスク資産は540万ということですから、毎年27万円、毎月分にすれば2万2500円(これで20年間で540万円になる)を投資していけばよいでしょう。そもそも上限が年間40万円なのですから、途中で月3万3333円まで少し増額することもできますし、投資信託を売ることもできます。今後おカネが必要になれば躊躇せずに売ればいいでしょう。ただし、売った枠でもう一度投信を買うことはできません。
「つみたてNISA」の最大の特徴は、金融庁が対象商品を厳選していることです。投資の知識を特別に持っていない人、投資をしたことがない人でも安心して投資ができるように、長期の資産運用に適したシンプルで低コストな投資信託に限定しています。現在、147本(2018年4月13日現在)がラインアップされています。
商品選びはいちばん最後、「毎月コツコツ」が大切
投資は、おカネを資本として経済に参加させておカネを稼ぐ行為ですので、「長期」で投資するほうがたくさん稼げます。長期間「複利」で増やすと意外なくらい資産は育ちますが、この場合、大きく影響するのはコスト(運用手数料)です。当然ながら、コストも「複利」で効いてくるからです。この点、「つみたてNISA」では低コストの商品が多く選ばれていて、長期投資の効果を発揮しやすいと言えます。
長期で投資するとしても、投資にはリスクが付きものですが、これをなるべく抑える方法として分散投資が有効です。「長期、分散、低コスト」を実現できる「TOPIXに連動する国内株式ファンド」と「外国株式インデックスファンド」を4:6で組み合わせて持つといいと思います。これで世界全体に幅広く投資をすることができます。コスト重視で商品を選びましょう。
史織さんは、「将来が不安だから」と、いきなり「個人年金保険」を購入してしまいましたが、このように商品を選ぶのはいちばん最後なのです。
毎月、つみたて投資をしていくということは、時間を分散するということです。定額の積み立て投資は、一度仕組みを作ってしまえば、あとはルールに基づいて自動的に買い付けが行われるので、買値が気にならずに、投資額を増やすことができて、資産形成を着実に行うことが期待できます。
ご自身でしっかり稼いでいくことが第一ですが、おカネにも働いてもらうことも大切です。
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