47歳「貯金ゼロ女医シングルマザー」の苦悩 年収400万円でも年間130万円の貯金は可能

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岩城:毎月11万3000円も貯めるのは、たしかに楽ではありませんね。それでも想定される老後の生活費は15万4000円ほどですので、これ以上、たとえば現役時代の50%に、などと老後生活費率を下げるわけにはいきません。少しずつでも貯めていかなければ、お嬢さんの教育費だけではなく、史織さんの老後が大変になると覚悟して、貯蓄ができる家計にできるように考えましょう。

そこで提案ですが、まず児童手当は全額貯めましょう。お嬢さんは今4歳。現在、月1万円で、中学校卒業時まで受給できますよね。計算すると、今後合計で約120万円を貯められます。国立大学なら、4年間で約242万円(文部科学省「平成27年度学生納付金調査」)ですので、半分を賄うことができます。また、毎月の養育費6万円も貯蓄しましょう。18歳まで貯めていけば、936万円になります。これで1056万円が計算できます。

一方、減らせる支出は、保険料の48万円を部分解約して捻出します。定期の死亡保険だけにすれば、その分の年間保険料を引いた約43万円が減らせます。これで年間の貯蓄額は、12万円+72万円+43万円=合計127万円。必要貯蓄額の136万円にあと9万円不足、つまりあと毎月1万円弱足りないので、大きな固定費となっている通信費や家賃を見直す必要があります。

史織さん:とても届かない額だと思っていましたが、こういうふうにすれば手が届きそうな気がしてきました。

「おカネの置き場所を作る」

次に、「2)おカネの置き場所作り」です。普通預金以外に、ネット証券に口座を開き、「つみたてNISA口座」を用意しましょう。

史織さんの場合、現在貯蓄がゼロなので、必要なときにいつでも出し入れできるように生活費の1年分くらいの現金を貯めながら、「つみたてNISA」で運用もしていきます。まず、運用にはどのくらい回すのか、取れるリスクがどのくらいなのかを考えてみましょう。

リスク商品をどのくらい持つかという目安になるのは、6割を「外国株式のインデックスファンド」、4割を「国内のインデックスファンド」に投資をした場合、「1年後に最大で3分の1損をするかもしれないけど、同じくらいの割合で4割儲かることがあり、平均的には、リスクを取らないよりも年率5%くらいの利回り」と考えて、いくら持つかを考えます。拙著『人生にお金はいくら必要か』(山崎元氏と共著・東洋経済新報社)でも詳しくご紹介していますが、「360」で考えるとわかりやすいでしょう。

つまり、老後年数30年(95歳まで)は360カ月ですので、360万円減ると毎月使えるお金が1万円ずつ減ることになります。「運用で失敗しても毎月1万円の減額を許容できるならば3倍の1080万円までリスク資産を持つことができる」と考えるのです。

史織さん:私はこれまで投資をしたことがないし、老後生活費をこれ以上切り詰めるのは無理だと思いますので、最悪の場合は、毎月5000円の損失として、360カ月で180万円として、リスク資産はその3倍の540万円とします。

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