窮地のフェイスブック、CEOが背負った十字架 公聴会では議員100人が10時間にわたり詰問

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今回流出したフェイスブックユーザーのデータは、性格診断アプリを開発したケンブリッジ大学の心理学者、アレクサンドル・コーガン氏が収集したもの。これが不正な形で、選挙キャンペーンのコンサルティングを行う英国のケンブリッジ・アナリティカという企業に渡った。同社は2016年にトランプ大統領が当選した際のキャンペーンにも関わっていた。

フェイスブックアプリが個人情報や「友達」の情報を集める際には、ユーザーに許可を求める画面を表示しており、そのこと自体に問題はない。重要なのは、データがアプリ開発者以外の手に渡ったことだ。フェイスブックは2015年の段階で、性格診断アプリの集めたデータが外部に渡っていたことを把握。コーガン氏に流用データの削除を誓約させたが、結果的にデータは使われ、対応が不十分であったことが露呈した。

公聴会では主に、フェイスブックが大量のデータを集めている中でプライバシーをどう守るか、規制を受けるべきなのか、といったことや、タイムラインで共有されるコンテンツへの責任、独占への懸念など、多岐に渡るテーマが議論された。

プライバシーは今後守られるのか

まず議員らは、フェイスブックのビジネスモデルを取り上げた。ザッカーバーグ氏は広告で収益を稼ぐことで無料のサービスを提供するモデルを選択している理由を問われ、「世界中の人々をつなぐミッションに挑戦するうえで、最も適している」と回答した。広告のターゲティングにおいては、ユーザーはどのように個人情報が使われるかについて管理することができるとも説明した。

フェイスブックが再び「いいね!」といわれる日は来るのだろうか(編集部撮影)

上院公聴会では、「デフォルトのプライバシー設定において、ユーザーの個人情報の収集や利用を最小限にするということにコミットできるか」との質問が飛んだ。ザッカーバーグ氏は「複雑な問題なので、(イエスかノーかという)一つの単語で答えられるものではない」と答え、議員は「それはがっかりだ」と返す場面もあった。

フェイクニュースの拡散に関連した質問も出た。ザッカーバーグ氏が「最も後悔していること」として語ったのは、2016年の大統領選挙の際、フェイクニュースによるロシアの世論操作などの動きを察知することに遅れた点だったという。

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