「必ず失敗する企画書」に足りない8つの視点

「Who」が明確でない計画は、絵に描いた餅だ

ただ、「やらなければいけない人」がいない場合、いてもやりたくない場合には、どうしたらいいのでしょう?

「トム・ソーヤーのペンキ塗り」に学べ

小説『トム・ソーヤーの冒険』には、おばさんから罰として塀のペンキ塗りをやらされていたトムが、さも楽しいことをやっているようにふるまって、通りかかった友人たちに代わりにやらせてしまうというエピソードが出てきます。

ここに、プロデューサーにとって大事なことが見事に表現されています。それは、「やらなければいけないこと」をみんなの「やりたいこと」に変える、ということです。

『地域プロデュース、はじめの一歩』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

成功がいまだ保証されておらず、予算も十分にないプロジェクトの立ち上げ期には、メンバーのモチベーションを維持できないことも少なくありません。

ここで、プロデューサーはいくらかトム・ソーヤーになる必要があります。自ら現場の仕事を楽しみ、みんなが参加したいと思える夢やストーリーを語り、多くの人たちを巻き込んでいくのです。

そうしているうちに、「自分よりもやりたい人」が出てきます。僕の場合は、誰かのジレンマを起点にしていますから、自分よりもそのプロジェクトを求めていて、実現のためにモチベーション高くかかわってくれるメンバーが必ず現れます。彼らが「やらなければいけない人」として、プロジェクトを動かしていってくれます。

プロデュースというとすごいことのように思われるかもしれませんが、すべては小さなプロジェクトから始まります。そのトライ・アンド・エラーは、経済合理性を追求する観点からは無駄な取り組みに思えるかもしれません。しかし、プロジェクトを通じて得られる気づきや経験知、人脈、信頼などは、自分を大きく成長させるばかりでなく、長い目で見るとビジネスや社会を健全な方向に導く大切な営みなのです。

キャリア・教育の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 仲人はミタ-婚活現場からのリアルボイス-
  • ぐんぐん伸びる子は何が違うのか?
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 就職四季報プラスワン
トレンドライブラリーAD
人気の動画
商社大転換 最新序列と激変するビジネス
商社大転換 最新序列と激変するビジネス
「話が伝わらない人」と伝わる人の決定的な差
「話が伝わらない人」と伝わる人の決定的な差
渋谷駅、谷底に広がる超難解なダンジョンの今
渋谷駅、谷底に広がる超難解なダンジョンの今
銀行員の出世コースに見られ始めた大きな変化
銀行員の出世コースに見られ始めた大きな変化
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
日本企業は米中の板挟み<br>全解明 経済安保

先端技術をめぐる米中の争いは日本に大きな影響をもたらします。海外からの投資は経済を活性化させる一方、自国の重要技術やデータが流出し安保上のリスクになる可能性も。分断の時代に日本企業が取るべき進路を探ります。

東洋経済education×ICT