BBCニュースがインスタで成果を上げたワケ 投稿数半減ながらエンゲージメントは2倍

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今年2月、フェイスブックがニュースフィード上でパブリッシャーコンテンツの優先度を下げる決定を下したのをきっかけに、BBCニュースはインスタグラムを参照トラフィック源として活用することに力を入れはじめた。ストーリーに投稿されるその日の3大ニュースについていえば、ユーザーは上にスワイプして続きの記事本文を読むことができ、そこからBBCニュースの日刊ニュースレターへの登録もできる。

「我々は、オーディエンスを旅に連れ出す方法に注目してきた。1日のダイジェストをきっかけに、BBCニュースとより深くつながってもらいたい」と、フランケル氏はいう。「フェイスブック以外のプラットフォームからの参照トラフィックを増やすことを考えるべきときだ」。とはいえ、フェイスブックも依然としてポートフォリオの重要な一角をなしている。スティーブン・ホーキング博士の逝去のニュースに際しては、数百万人がフェイスブック経由でBBCニュースのサイトを訪れた。

BBCニュースの最初のインスタグラムストーリーの閲覧数は通常15万ビュー程度で、定着率は約50%だと同社はいう。毎日、数千人が動画を上にスワイプして記事本文を読み、2000人が新たに日刊ニュースレターに登録する。その登録者数は合計約10万人に達した。

若年層を獲得する手段

しかし、インスタグラムが何をもたらすかについて、フランケル氏は現実的な見方を崩さない。4600万人ものフォロワーを抱えるBBCのフェイスブックページに匹敵する参照トラフィックを稼ぎ出すことはありえない。ストーリーをニュースレターにリンクさせる方が、オーディエンスとのつながりを強化するためには堅実なやり方といえる。

BBCニュースも、ガーディアンなどほかのメディア企業も、インスタグラムは若いオーディエンスを増やす手段だと考えている。フランケル氏の推測では、英国内のユーザーが大半を占めるインスタグラムのオーディエンスのうち、80%が25歳未満だ。若い世代がみな新規オーディエンスとは限らないが、上の世代のオーディエンスがテレビやウェブサイトでもBBCニュースのコンテンツを見ているのに対し、「彼らはニュース目当てというわけではないだろう」と、フランケル氏はいう。

また、2月以降、BBCニュースは毎週金曜にストーリーにクイズを投稿している。その週のニュースに関する質問に◯×で回答する形式だ。クイズの目的は、単に人々にもっとニュースに親しんでもらうことだ。最近の問題のひとつではフェイクニュースをとりあげた。これは、学生たちのフェイクニュースに関する知識を増やそうというBBCの取り組みの一環だ。

視聴料を資金源とするBBCは、ほかのメディア企業ほどソーシャルプラットフォームに投稿しなければという商業的プレッシャーにさらされてはいない。だが、インスタグラムからの参照トラフィックがBBCにとっての優先事項であることに変わりはなく、リソースを効率よく振り分けて、この分野を成長させたいと考えている。

フランケル氏は近い将来、インスタグラム、なかでもとりわけストーリーを使って、オーディエンスからのフィードバックやコメントを集めたいと考えている。記者たちが記事を練る際の材料にするためだ。

「ワークフローは簡潔で持続可能なものにしておかなければ、エンゲージメントへの対応に忙殺されかねない。そういったことが必要な機会は増すばかりなのだから」と、フランケル氏は語った。

Lucinda Southern(原文 / 訳:ガリレオ)

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