BBCニュースがインスタで成果を上げたワケ 投稿数半減ながらエンゲージメントは2倍
昨年夏以降、BBCニュースはインスタグラムのコンテンツを厳選するようになった。投稿数は減ったが、動画はよりユーザーと親和性の高いものになった。その成果は上々だ。同社によると、インスタグラムアカウントのフォロワーは現在のところ480万人。同社のソーシャルプラットフォームのなかでもっとも急速に伸びており、週2000人の新規フォロワーを獲得している。
調査会社ニュースウィップのデータによれば、BBCニュースのアカウントの月間平均エンゲージメント(「いいね!」、シェア、コメント)は、2017年3月には1万だったのが、今年2月には2万2000にまで増加した。一方で、月の動画投稿数は、120本から60本未満へと半減している。
理由のひとつは、BBCニュースをはじめとするニュースパブリッシャーが、どんなコンテンツがインスタグラムで受けるのかを理解したことにある。典型的なのは、人物にスポットを当てた国内の話題だ。BBCの最近の投稿でいえば、タイで行われたトランスジェンダーのミスコンの優勝者や、車椅子でロンドン地下鉄を利用するBBC社員を取り上げた動画がいい例だ。以前はもっと多種多様な動画をインスタグラムに投稿していた。BBCには、そんな動画がいくらでもあるのだ。だが、現在はコンテンツの配信先を分けて差別化することに重きを置いている。
インスタの運用体制
「現在のオーディエンスはインスタグラム・ファーストだ」と、BBCニュースのソーシャルメディアエディター、マーク・フランケル氏はいう。「ふだん我々のコンテンツを視聴しないオーディエンスにリーチし、参照トラフィックを増加させるチャンスを我々は手にしている」。
フランケル氏は、エディター6人とアシスタントエディター1人のソーシャルチームを率いて、フェイスブック、ツイッター、インスタグラムにコンテンツを投稿している。ニュース動画のインスタグラム版が必要な際には、より大規模なデジタル動画チームが制作を手がける。
ストーリーは別として、インスタグラム上のコンテンツの大部分は、BBCのほかのプラットフォーム上のコンテンツの体裁を整えたものだ。ただし、明らかにインスタグラム向きなコンテンツに関しては、BBCのほかのソーシャルプラットフォームやオウンドメディアで公開する前に、インスタグラムへ投稿することもある。先日亡くなったファッションデザイナーのユベール・ド・ジバンシィの追悼動画などがそうだ。