ANAに学ぶ、企業サイトの「おもてなし」 東京五輪をたぐり寄せたのは滝クリだけじゃない!
外国人にササる仕掛け
たとえば、サイト開設当初からある「DISCOVER」を見ると、トピック別の動画として「富士山」「大相撲力士」「日本酒」などの伝統的な内容のものから、「メイド喫茶」「ハイテクトイレ」「キャラ弁」など比較的新しい日本の文化、風俗までを幅広く紹介。「アイス珈琲」の項目では、ガムシロップとミルク(コーヒーフレッシュ)を入れてかき混ぜる手順が淡々と紹介され、シュールな雰囲気を醸し出している。
各動画には、フェイスブックのような「COOL」「NOT SO COOL」のボタンが付いていて、閲覧者の投票によりランク付けされる仕組みだ(10月10日時点の1位は、6133票を獲得している「おもてなし」)。
同サイトの立ち上げ、運営にかかわる全日本空輸マーケットコミュニケーション部の佐野晶太郎氏は、「外国人の方にいいか悪いかを判断してもらい、共感した場合にはシェアしてもらうことを期待して、こうした仕掛けをした」と、狙いを語る。
逆張りが吉と出る
ANAが同サイトを立ち上げた目的は、海外での認知度向上のため。JALと異なり、社名に「JAPAN」の文字が入らないANAは、日本の航空会社としての認知度が海外で低く、この点が経営上の課題だった。現在は国内線の売上高が6659億円(13年3月期実績)と国際線の2倍近い規模を誇るが、国内市場はすでに成熟化。今後の伸びしろはアジアを中心とする海外にある。
そのため、ANAは近年、海外でのブランド力向上に力を入れている。今年は、国際的な権威とされる英国の航空リサーチ会社スカイトラックスの格付けで、世界に6社しかない五つ星を獲得した。「IS JAPAN COOL?」のサイト設立も、そうした戦略の一環だった。
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