5年後、日本のメディアコンテンツはこうなる 角川歴彦×川上量生対談(2)
対談第1回: 情報化社会で真の知識人は「コミュ障」の人間 はこちら
――川上会長の新刊『ルールを変える思考法』を、角川会長もお読みになったそうですが……。
角川:僕はね、川上くんは語りの天才だなと思っているんです。普通はインタビューや対談、ブログの記事などがそのまま本になるというのは、なかなかないんです。でも、川上くんのインタビューや、ウェブでの対談記事を読むと、ちゃんと起承転結しているんです。これはものすごい才能です。
面白いのは、たとえば発想の根っこがゲームにあるところです。「ゲームというのは、究極的には自分でルールを変えればいいんだよ」と。
川上くんはボードゲーム、正確には「コンピュータを使わない非電源型のシミュレーションゲーム」で思考力を鍛えたと言っている。「ゲームで考えたことはこうなんだ」というのは、僕も将棋をかなり専門的にやったから感覚的にわかるんです。
川上:角川会長は、将棋もされるんですか?
角川:そうです。僕は子供ながらに将棋で自分をギリギリまで追い込んで、本気で棋士になろうかと思った時期もあったけど、父が「俺は棋士にするつもりはなかったんだ」と言って、無理やりやめさせられたんです。中原誠(十六世名人)は僕の同期生ですよ。
川上:じゃあ、ぜひ電王戦(ドワンゴが主催するプロ棋士とコンピュータ将棋の対戦。2013年に行われた第2回将棋電王戦では、コンピュータが3勝1敗1分けで勝利した)にご協力いただければ。
角川:何らかの形でかかわれたらいいね。