「ソフトウエアのテスト」が重要度を増す理由

SHIFT社長にロングインタビュー

小林:確かに、ヒットを記録するのはほんの一握りで、日の目を見ないアプリのほうが圧倒的多数ですね。

丹下:その主因は食糧問題と似たようなもので、要はアンバランスがもたらしているものだというのが個人的な見解です。僕たちのようなビジネスを営んでいる人が限られていることが一つのボトルネックとなっているわけです。テストを専門に手掛ける会社をもっと増やさないと、ユーザーのもとまでシームレスに(継ぎ目なく)ソフトが届きません。だから、ボトルネックとなっている部分をどうにかしたいと強く思っています。

小林:SHIFTは上場してから3年半近くが経過していますが、IPO後も追求し続けているのは、昨今のソフトウェア開発の在り方を根本的に変えることなのですね。

丹下:僕自身、IPOがゴールだと思ったことはまったくなく、単なる通過点にすぎないと捉えています。今のようなペースで進捗していけば、これだけの業績になるという見通しは立つものです。時代の変化や資金、人材の不足などにより、達成できる時期が延びることはあるかもしれませんが、やるべきことははっきりしています。時価総額も700億円を突破した今、そこからさらに1兆円まで積み上げていくにはどうすればいいのか、その道筋は見えているのですが、悩みがあるとすれば、経営者としてのメンター(指導者)を求めているのも確かです。だから、優秀な先輩たちから精力的に話をうかがうようにしていますね。

時価総額1兆円達成に向け、さらに人材獲得に注力

小林:時価総額1兆円の達成に向けて、現時点で最も拡充すべきだと考えているのは、どういった点についてでしょうか? 経営経験ですか? それとも人材、またはキャッシュでしょうか?

丹下:やっぱり、人材ですよ。経験については、先輩の経営者に聞けばわかること。キャッシュにしても、業績や財務がきちんとしてれば調達できるものです。本当に心配しているのは採用についてで、いっそう優秀な人たちを獲得していくためにも、彼らが大いに魅力を感じて存分に楽しむことができる事業に育て上げていかなければなりません。

小林:その意味では、テストという仕事のイメージ作りも必要ですよね。ソフト業界内において最終工程の一番端っこにあるという既成概念を革新させることも求められてきそうです。たとえば、スターバックスは人材採用におけるブランディングを大きく変えたことが店舗網の拡大にも結びつきましたね。従来なら、ただの喫茶店の店員にすぎなかった職業のイメージを大きく塗り替えたわけです。

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