「ソフトウエアのテスト」が重要度を増す理由 SHIFT社長にロングインタビュー

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小林:丹下さんが会社を辞められたのはその前ですか?

丹下:ええ。僕は2005年にインクスを辞めて、その年の9月にSHIFTを設立しています。もともと僕は、小学校6年生のときに自分で会社を作ることを母親と約束していましたし、とりあえず30歳になったら実行しようと考えていましたから。

既存のテストはコストがかさみ、携わる人も後ろ向き

小林:ソフトのテストという領域を会社の事業にすることになったのは、どのような経緯からなのでしょうか?

丹下:インクスのことが教訓となったので、製造業だけには手を出すまいと思っていましたが、特に何をやろうと決めてから会社を興したわけではありません。当初は業務改善のコンサルティングから始めて、幾度か失敗を繰り返してきました。すると、2007年に大手IT企業でシステム開発の責任者を務めていた前職の先輩から、「丹下くん、ソフトのテストに高いコストがかかって生産性が悪いので、どうにかしてくれないかな?」と相談を持ちかけられたのです。

小林:どうして生産性が悪かったのでしょうか?

丹下:3社にテストを外注し、相当な額の予算を投じていました。本来、テストは特定の時期に集中して行われる作業なのに、3社から派遣されてきたスタッフたちは年がら年中雇われていたわけですから、いたずらにお金がかかっていたわけです。しかも、発注先の選定はコンペではなく、3社の持ち回りで、価格競争が働いていない状況でした。

小林:その有り様では、お金がかかりすぎるのは当然でしょうね。

丹下:コンサルティングを進めていくうちに、僕はテストの世界には方法論が存在していないということに気づきました。やはり、開発者にとってはプログラミングがやりたいというのが主たる思いであって、テストのほうはどうしてもおざなりになりがち。夢中になって開発に取り組んだ後、最後にテストを徹夜してどうにかこなせば、また新たなプロジェクトに着手できるのだという苦行のような感覚なのです。だから、誰もこの領域にテクノロジーを持ち込んだり、優秀な人材を投入したりしません。それゆえ、非常にチャンスが潜んでいるブルーオーシャンだと僕の目には映ったわけです。

(写真:Signifiant)

小林:誰も手をつけていないからこそ、改善を図る余地がたくさんあるということですね。

丹下:僕が関わるようになってから、テストにかけていた予算は翌年に30%近く抑えられ、さらにその翌年には当初の85%を超えるコストカットを実現しました。こうして手応えをつかんだことから、2010年以降はそのIT企業以外でもテストの業務を受注するようになった次第です。

小林:なるほど。紆余曲折を経て、ソフトのテストというブルーオーシャンを発見したわけですね。

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