筆者は、ある大学で6年間ほど週に2コマ授業を持っていたことがあるが、学生には毎年、「恋人と一緒に買い物をして、リボ払いを選ぶような相手と結婚してはいけない。経済観念のない相手と結婚すると苦労するからだ」と必ず伝えるようにしていた。
リボルビング払いは、借金生活への入口だ。もちろん、これ以外に、銀行のカードローンなどの借金を利用しないほうがいいことは言うまでもない。
がん保険も「不要」、保険の本質とは「損な賭け」
(2)独身者は生命保険に入らない
借金と並んで新入社員が近づかないほうがいいものに、生命保険がある。近年は、会社の出入り口のセキュリティ・チェックが厳しくなって、生保のセールスがオフィスまで入り込むことが難しくなったが、それでも、さまざまな形で生命保険の勧誘が行われている。
はっきり言って、独身の新入社員に生命保険はいらない。死亡保障の普通の保険はもちろん、がん保険をはじめとする医療保険も会社で健康保険に入っているので不要だ。はっきり言って、がん保険に入ったからといって、がんの発病率が下がるわけではない。
新入社員が勧誘されることは少ないかも知れないが、外貨建てなどの年金保険や終身保険などの貯蓄性を強調する保険にも入らないほうがいい。
保険の本質は「損な賭け」だ。どうしても必要な場合にだけ(たとえば自動車を運転する際の自賠責保険のように)、必要最小限の金額と期間について、必ず掛け捨てで、保険料の安い物を選ぶのが基本だ。
新入社員は、相続対策の生命保険は考えなくていいだろうから、当面保険が必要になる場合があるとすると、結婚して子どもができた場合に、ある程度の金額の死亡保障の保険に入ることを検討する程度だろう。その場合、ネット生保などで、保険料の安い保険に加入するべきだ。
人間がセールスする保険は、国内系、外資系の別を問わずおしなべて保険料が高く不利だ。投資信託などの運用商品もそうだが、保険も含めて、金融商品は人間から買うと幸せになれないことを覚えておこう。
(3)確定拠出年金はなるべく大きく利用する
入った会社に確定拠出年金制度があれば、是非加入して、なるべく大きな金額で利用しよう。確定拠出年金は、掛け金が所得から控除されるので、税金面で確実で大きなメリットがある。原則として60歳まで資金を引き出せない点に不自由があるが、老後に備える貯蓄はどのみち必要なので、最も有利な資金の振り向け先として、最大限に使いたい。運用商品を選ばなければならない点が面倒かもしれないが、外国株式と国内株式のインデックス・ファンドの運用管理手数料が安い物に概ね6:4(外国株6割、国内株4割)で投資することをお勧めする。
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