再挑戦するユニクロ--フリースブームから8年、V字回復に見る自信

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3年後に売上高1兆円 海外展開を急ぐわけ

だが世界進出の狙いは、売り場の拡大以外にもありそうだ。

ユニクロは、9割以上の製品を中国で生産している。品質を他社に勝る何よりの強みとして、提携工場には職人を送り込み、徹底指導しながら強固な基盤を築いてきた。ところが、01年に欧米向け繊維クオータ制(数量制限)が撤廃されて以来、欧米の大手小売業者やアパレルが続々と中国生産を拡大している。数限られた優秀な工場の争奪戦が激しさを増しているという。

ユニクロの発注単位は、売り上げ規模で勝る欧米ライバルに比べればまだ小さい。まして品質には厳しい。工場にしてみれば、欧米からの受注をこなすほうが効率的だ。実際、「ユニクロが育て上げた優秀な工場が、欧米他社に取られたケースもあった」(アパレル企画関係者)。

将来的には中国生産を全体の3分の2程度に抑えるべく、バングラデシュなど新たな生産拠点の開発に取り組んではいる。が、高いクオリティで大量生産できるようになるまでには、まだ時間がかかる。ユニクロにとって「売上高1兆円」目標は、単なる夢や希望ではなく、生産地での発言力を高めるという極めて現実的な課題のためにも必須なのだ。

今年3月、ファーストリテイリングは、柳井氏がこれまでに語ってきた言葉から編み上げた企業理念を明文化し、全社員に配布した。国内ユニクロの基盤が固まり、いよいよ拡大に向けて本格的に動き出す、その結団式のようなものか。「世界のグローバル企業を見ていると、一気に飛躍するときに必ず理念に立ち返っている。期せずして今、われわれにもその必要性が出てきた」(真島英郎・グループ理念経営推進室長)。

07年に続き08年も好発進した今、「売上高1兆円」「2020年に世界一」は、急に現実味を帯びてきた。ユニクロ自身がその手応えを強く感じているに違いない。


(堀越千代 撮影:梅谷秀司、今 祥雄 =週刊東洋経済)
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