非正規労働者に欠けているものとは何なのか PTA・自治会などの社会活動をするべき理由
さらには「自分の考えや行動を振り返ることで実践知が高まることから、公共の職業訓練においては、アクティブ・ラーニングや問題解決学習型(PBL)を教育訓練過程に組み込むことで、能力開発につなげることができる」と語る。
低賃金で働く非正規労働者が増加する中、京都大学大学院教育学研究科の楠見孝教授は、藤井氏の論文をこう評価する。
「仕事の実践知が,会社における経験からだけではなくコミュニティ活動からも獲得されることを明らかにしようとした点に、着眼点の鋭さが見られます。しかしこれは1つのトライアルであって、この実証結果を積み重ねていくことが大切です。その最初のステップがこの研究だと思います」
履歴書に仕事外活動の記入欄をつくろう!
企業の採用活動においても藤井氏の研究は役立てられるのではないだろうか?
新しい形での募集広告を出すことやユニークな採用方法をアピールすることも良いかもしれないが、肝心な人材を見誤ると非常にもったいない。
これからの採用条件としては、以前の会社で正社員だったのか非正規社員だったのかという判断基準とは別に、社外でどのような活動をしてきたのかについても積極的に確認することにも意義があるだろう。
ハローワークも含め、履歴書や職務経歴書には、PTAでどのような役割をしたことがあるのか、また自治会や町内会でどのような活動をしてきたかなどを書く欄はいまのところ設けられていない。
自治会やPTA活動といったこれまで採用における優先順位が低かった項目も重視することで、目の前にいる実践知の高い人材が活躍できる機会を増やすこともできるはずだろう。
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