非正規労働者に欠けているものとは何なのか

PTA・自治会などの社会活動をするべき理由

これまでは、この結果に悲観し、闇雲に非正規労働者の待遇改善を声高に叫んでいたが、この調査研究で新たな道がひらけた。

自治会やPTAなどの社会活動に積極的に参加すれば、実践知のスキルを身につけられる可能性があることがわかったのだ。それもテクニカルスキル、コンセプチュアルスキル、ヒューマンスキル、すべてにおいてだ。

経験のある人なら、わかるだろうが、自治会では、年代、職業も様々な人たちをまとめて、イベントや報告会などの目的を遂行させる。もともと同じ目的を持った社内の仲間や同業者たちと共に仕事をするケースとは大きく異なる環境だ。

その中でコミュニケーションをとり、時にはマネジメントをすることもあるだろう。特にPTAでは、モンスターペアレントやコミュニケーションが取りにくい人たちと対峙しながらも円滑にイベントを進めていくスキルが必要になる。

ある40代女性の例

大手電機メーカーに契約社員として5年間勤務しているAさん(43歳)は、息子の学校のPTA委員や係を3年間、また地域の自治会もお手伝いをしているという。

AさんにPTA活動で学んだことを尋ねると、「PTA活動や学校行事の手伝いをするには、やはり共同作業が必要です。はじめは考え方の違いや作業スピードの違いで戸惑い、チームとしてバラバラでしたが、そのうち自然とリーダーシップをとる人、フォローをする人、庶務的役割の人、現場で働く人など得意分野や適材適所を見つけることで自然と目的に近づいていくことができたと思います。この活動を通じて、コミュニケーションの大切さ以外に、それぞれの目的意識、達成度を知ることで円滑に業務をすすめられる事を学びました」と語った。

また会社においての評価を聞いてみると、「もちろん人事のタイミングがありましたが、リーダー業務に抜擢されました」と笑顔で答えてくれた。

このように獲得した実践知が、すぐに評価されることは、珍しいかもしれない。しかし、確実にビジネスに必要なスキルが向上していると言えるのではないだろうか。

藤井氏は「これらを経験することで、非正規労働者であっても正規労働者並みに経験をつみ、仕事にも生かすことができる知識やスキルを有している者がいる」という。

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