鳥貴族、増収増益でも「楽観はできない」事情

店舗網の拡大が続く一方、客数は減少傾向に

ワタミが展開する鶏業態「三代目 鳥メロ」。既存の総合居酒屋からの転換を進めている(撮影:今井康一)

大倉社長が分析するように、鶏業態の居酒屋は競争が過熱している。ワタミは既存の総合居酒屋を「ミライザカ」や「三代目 鳥メロ」という鶏料理居酒屋に積極的に業態転換してきた。ミライザカはハイボールを、三代目 鳥メロは生ビールをそれぞれ199円(税抜き)で販売するなど、ドリンクは価格が鳥貴族を下回っている商品もある。

鳥貴族の分析によると、主要顧客である20~30代の学生・会社員の客数に大きな影響はなかったが、家族客や40代以上の客は値上げを境に来店が減っている。大倉社長は「20~30代をターゲットに店作りをやっていくことは今後も変わらない」と述べ、ターゲットは変えずに客数の底上げを図っていく考えだ。

客への声かけを積極化

具体的には、外食店で重要視されるQSC(品質・サービス・衛生管理)を改善する仕組みを導入した。従来は、各店舗でマニュアルを徹底することに重点が置かれていたが、改善システムではQSCにかかわる項目を全店統一のチェックリストで細かくチェックする。各店の課題を明確にし、マネジャーと店長で改善計画をすり合わせ、実行していく。焼き鳥の調理技術や接客についても、担当トレーナーが店舗を回りながら指導する制度を設けた。

鳥貴族の大倉忠司社長。1985年に鳥貴族1号店を出店した。1986年に会社を設立し、社長を務める(撮影:山内信也)

さらに、タッチパネルを導入し席の回転率が向上した一方、ドリンクを中心に商品の注文数が伸び悩んでいるという新たな課題も浮上している。これについては、客への声かけを積極化し、追加の注文を促していく考えだ。

鳥貴族は2021年7月期までに営業利益率8%(今上期5.4%)、国内店舗数は現状の約1.6倍の1000店舗体制という目標を掲げている。大倉社長は「外食は類似店が出るとそちらに流れる傾向はあるが、今までやってきていることに間違いがなければまた戻ってきてもらえる」と自信を見せる。

上期は直営店とFC店を合わせ純増40店と順調に店舗網を拡大した。今後も規模を拡大しつつ、既存店を回復軌道に乗せることはできるか。鳥貴族の真価が問われる。

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