鳥貴族、増収増益でも「楽観はできない」事情 店舗網の拡大が続く一方、客数は減少傾向に
もう1つの要因は、人件費の抑制が進んだこと。従業員の勤務シフトを見直したほか、前下期から導入を開始した注文用タッチパネルで省力化を進めてきた。タッチパネル導入によって、1店舗平均で月20万~30万円ほど人件費を抑えることができたという。1月末時点で直営店374店中206店の店舗に設置されており、今後も導入を進めていく予定だ。
苦戦が目立つ関東エリア
このような取り組みを進めているが、下期は楽観できる状況ではない。というのも、値上げを実施した2017年10月以降、客数減少が目立っているのだ。
前2017年8月期は通期で客数が1.4%増だったが、値上げ以降に前年同月を超えたのは2017年11月のみ。2017年10月は2度の台風、2018年1月は関東で雪の影響があったとはいえ、ぱっとしない状況が続いている。特に2018年になってからの客数は1月が6.2%減、2月が8%減と厳しい状況だ。
既存店売上高をエリア別に見ると課題が浮き彫りになる。地盤の関西圏では上期の累計で既存店売上高が3.8%増、東海圏も1.8%増と健闘している。他方、関東は2.2%減と唯一前年同期を割っている。関東は東名阪のなかでも重点的に出店してきたエリアであり、現在最も店舗数が多い。
大倉社長は、「関東での鶏業態の競争激化」を挙げる一方、関西については「競争激化がまだ緩い。関西から出てきた会社なのでブランド力の強さがあったと考えている」と述べた。
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