スマホ用「ライトのかさ」が作られた深い理由 ネパール無電化地帯に明かりを灯す取り組み

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Kingyoは滝のような流れ落ちる水を利用するタイプで、動力を得る水車の部分はペットボトル程度の大きさ。人の身長ほどの落差があれば発電でき、スマートフォン約20台分の発電力がある。いずれも、装置そのものを稼働させるための外部電源を必要としないため、インフラのないところでも使用できることが大きなメリットだ。

この2つの発電機は、すでにODA(政府開発援助)により、ネパール仕様の9台が導入されている。しかし菊池氏は、活動を継続させるためには民間の協力が必須という思いから、個人でクラウドファンディングプロジェクトを立ち上げたという。

自然を破壊しない方法で電化したい

「ネパールでは、電気がないことが社会のさまざまな部分に大きく影響しています。たとえば子どもは夜勉強ができないし、親は内職もできない。冷蔵庫がないから医療用のワクチンが保存できない。ランプによる火災や煙の健康被害なども多い。豊富な水資源を利用し、自然を破壊しない方法で、1つでも多くの村に明かりを届けたいと考えています」(菊池氏)

そしてもう1つ、本プロジェクトを興味深いものにしているのが、リターン商品を提供するケイ・ウノのかかわりだ。同社はジュエリーをはじめとするオーダーメイド販売を通じ「人の思いにこだわる」商品づくりをモットーとしている。菊池氏との関係は、14年前に氏のマリッジリングを手掛けたことがきっかけだったという。

さらに2013年には、再生可能エネルギープロジェクト「アースミルクプロジェクト」のエンブレムデザインを茨城製作所がケイ・ウノに依頼している。「ものづくりへのこだわり」において、共感するものがあったためだという。

今回のクラウドファンデングプロジェクトで提供される「エネジュエリー・しずく」も、菊池氏の思いがケイ・ウノのデザイナーによって表現されたジュエリーだ。

ケイ・ウノが2万5000円のリターンとして提供する「エネジュエリー・しずく」はピンクとブルーから選べる(編集部撮影)
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