ベトナムの女性が体型維持に気を払うワケ アオザイとノンバイトー、伝統品の蘊蓄100章

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ベトナムの正装「アオザイ」(写真:よっちゃん必撮仕事人 / PIXTA)
モノ情報誌のパイオニア『モノ・マガジン』(ワールドフォトプレス社)と東洋経済オンラインのコラボ企画。ちょいと一杯に役立つアレコレソレ。「蘊蓄の箪笥」をお届けしよう。
蘊蓄の箪笥とはひとつのモノとコトのストーリーを100個の引き出しに斬った知識の宝庫。モノ・マガジンで長年続く人気連載だ。今回のテーマは「ベトナムの伝統品」。あっという間に身に付く、これぞ究極の知的な暇つぶし。引き出しを覗いたキミはすっかり教養人だ。
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01. 「ベトナムの伝統品」とは東南アジアのインドシナ半島に位置する社会主義国家ベトナムに伝わる技術品のこと

02. ベトナムは中国、ラオス、カンボジアと国境を接し過去に中国やフランスの統治を受けるなど複雑な歴史を持つ

03. 現在では憲法5条によって〈多民族国家〉であることを規定。政府が公認しているだけでも54民族が存在する

04. 首都はハノイで、ベトナム語を公用語とするが、中国語やクメール語、フランス語、ロシア語、英語も使用される

05. ベトナム国民は一定年齢以上に達すると身分証明書を発給され、そこには民族籍を記入する欄が設けられている

06. そのベトナムで〈正装〉とされるのが「アオザイ」である。これは北部の発音で、南部では「アオヤイ」と呼ぶ

07. 長い上衣にパンツを合わせたもので、〈アオ〉は「上衣の一種」を、〈ザイ〉はベトナム語で「長い」を意味する

08. 現在、一般的なアオザイは2枚の布が体を包むような構造で立ち襟。膝丈まである上衣は腰部にスリットが入る

09. 体のラインを引き立たせるこのスタイルは18世紀に清朝から移入された「チャイナドレス」の影響が強いという

アオザイの起源

10. しかしアオザイの起源は紀元前4世紀~紀元1世紀頃ベトナム北部の紅河デルタを中心に発展した青銅器時代

『モノマガジン』2018年4月2日号(3月16日発売)。大特集は「ベトナムクルーズ! さぁ、ベトナムへ行こう!!」。特集は、「ヒト役買いっ! のアウトドアグッズ」などです。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

11. 当時から古代ベトナム人は2枚の前垂れのついたアオザイのような衣装を身に着けていた

12. その様子はベトナム北部タインホア地方のドンソン遺跡から発掘された銅鼓の絵柄にも描かれている

13. 当時のアオザイはまだ中国文化の影響を受けておらず、男性も着用していたものの一般的には女性向けだった

14. その後ベトナムは李朝時代(1009~1225年)に中国の支配を受けたためアオザイも部分的に影響を受ける

15. 11~15世紀のアオザイはゆったりとしたデザインで袖が長く、袖口も広いのが特長

16. 15~18世紀の黎朝時代になるとさらに変化し、4枚布を使うことで動きやすくなり農作業にも使用された

17. シルエットもゆったりしたもので、上衣の下にはパンツではなくスカートを合わせることもあったという

18. アオザイの原型が整ったのは後黎朝中期~後期にベトナム南部に築かれた半独立国家の広南国(1558~1777年)

19. その第8代君主グエン・フック・コアットは何万人にも及ぶ華人の流入に対しベトナム文化の危機を直感する

20. そこで彼はベトナムの文化的アイデンティティを守るため南部の人々に対し服装に関する法令を発布した

次ページ法令によって決められたアオザイの形
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