「土日が潰れる」会社の研修課題はアリなのか 業務時間中に堂々とやってはだめなのか
会社からの指示で大量の課題が与えられたら、どのように対応しますか。現実問題としては、研修課題を日中の業務時間内に堂々とするということはしにくく、泣く泣く休日や仕事が終わった後の時間を使って対応する人がほとんどではないでしょうか。
また、「週末を使って資料を読んでおいて。週明けには意見を出してもらうから」と金曜の夕方に言われ、途方に暮れた経験を持っている人もいるでしょう。会社が受講を義務づける研修の開催が休日で、絶望的な気持ちになった人もいるかもしれません。TwitterなどのSNSでは、こうしたことを「悲しい思い出」として披露する人もいます。
本来なら、会社の指示である以上、業務時間内に終わらせたいと考えるのが当然で、業務時間をはみ出る部分については、残業代や休日出勤手当の請求もしたくなるところ。高木由美子弁護士に、こうした疑問について解説してもらいました。
会社の指揮監督下に置かれたら「労働時間」
――まず、法律上の労働時間とはどのようなものでしょうか
「法律上の労働時間とは、『労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間』をいいます。そして、会社から義務付けられ、又はこれを余儀なくされた場合は、原則として、会社の指揮監督下に置かれたもの、つまり労働時間と評価することが出来るというのが最高裁判所の判断です」
――どのような場合が考えられるでしょうか
「(1)研修や研修課題は会社から命じられたものである場合、(2)仮に明確に会社から命じられていなくても、それに参加したり、提出したりしなければ、賞与や昇格査定でマイナスの判断がされてしまう場合、(3)業務に密接に関連するものである場合、これら3つの場合は、研修に参加している時間や研修課題を取り組む時間は労働時間と言うことが出来ます。
研修課題が会社から命じられたものである場合は、その研修課題に取り組む時間は労働時間、つまり業務となりますので、当然、会社の業務時間内に取り組むべきものです」