パワハラ上司に迫られ「5年も不倫」の深刻度 会社に告発する際の法的リスクは?
パワハラ上司に精神的に追い詰められ、身体の関係をもってしまった結果、ズルズルと不倫関係に陥ってしまった。会社に伝えた場合に告げたい――。そんな深刻な悩みが、弁護士ドットコムの法律相談コーナーに寄せられた。
女性によれば、上司を受け入れてしまったのは、パワハラにより精神的に追い詰められていたことと、妻とは離婚の話し合いをしていると聞かされたからだったという。しかし「離婚は嘘であることが判明」。あげくのはて「会社に知られ、年上の男性社員に目の前や飲み会の席で嫌味を言われるように」なったという。
5年も関係は続いてしまったが、最終的に、別れることに。しかし最近になって、上司は昇格して管理職になったのに対し、相談者は降格となった。そこで会社に対して、上司の仕打ち(パワハラ、不倫)を告げ、管理職として適任なのかと訴えたいと考えているようだ。
このような行動には、どのような法的なリスクがあるのか。山口政貴弁護士に聞いた。
5年続けた不貞行為「責任免れず」
「まず、上司の妻からの損害賠償請求は覚悟する必要があります。
離婚の話し合いをしていると信じていたという言い訳は残念ながら通用しません。不貞行為(浮気)が始まった背景に、上司のパワハラもあったとのことですので、気の毒だとは思いますが、5年も関係を続けてしまったとなると、責任を免れることは難しいでしょう。上司の妻に浮気が発覚した場合は慰謝料を支払わなければなりません」